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- Published: 2026-01-24
- Updated: 2026-01-24
- Canonical URL: https://premier-factory.co.jp/skin-concerns-ranking-whitepaper-2026-01/
- Document ID: CR-SKIN-2026-01-N1000-WP
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1. Abstract(概要)
本白書は、一般の20〜50代男女1,000人を対象に実施した「肌悩みランキング調査(2026年1月)」の結果を、研究・行政・教育用途での参照を想定し、中立的かつ記述的に整理したものである。
本調査は、肌悩みの種類や分布に加え、その継続期間、現在行われているケア行動、情報収集の有無および情報源、さらに「解決しにくい」と認識されている理由を同時に把握することを目的として実施された。
従来の関連調査では、特定の悩みや属性に焦点を当てた集計が中心となることが多く、悩みの長期化や行動・情報との関係性を包括的に整理した資料は限られていた。本白書では、単純集計およびクロス集計結果を基に、性別および年代による違いを含めて結果を提示し、現時点で観察される構造的特徴を整理している。
なお、本白書に掲載する内容は、インターネット調査による自己申告データに基づくものであり、医学的診断や有病率、治療効果を示すものではない。また、因果関係の断定や施策・解決策の提示を目的とするものではなく、得られた結果を一次資料として整理・共有することに主眼を置いている。
本白書では、調査結果の概要および主要な集計結果を本文に掲載し、設問全文、詳細な単純集計およびクロス集計結果については付録として調査原本PDFに収録している。
2. Background(調査背景)
皮膚に関する悩みは、年齢、性別、生活環境、自己認識など複数の要因が関与する主観的評価に基づく領域であり、一般集団を対象とした実態把握には質問紙調査が広く用いられてきた。これらの調査は、特定の症状や年齢層に焦点を当てたものが多く、個別の悩みの有無や割合を示す資料として一定の蓄積が存在する。
一方で、肌悩みを「どのような種類として認識しているか」に加え、「どの程度の期間継続していると認識されているか」「現在どのような行動が取られているか」「情報収集が行われているか」「解決が難しいと感じられている理由は何か」といった複数の側面を同一調査内で整理した公開資料は限られている。
特に、悩みの継続期間や行動・情報収集との関係は、単一の設問結果のみでは把握が難しく、分布の整理や属性別比較を通じて初めて観察可能となる側面がある。そのため、性別および年代別の集計結果を含めて全体像を整理することは、現時点における認識の構造を理解する上で一定の意義を持つと考えられる。
本調査は、一般集団を対象に、肌悩みの種類、継続期間、現在のケア行動、情報収集の有無および情報源、さらに解決が困難であると感じられている理由を同時に把握することを目的として設計された。これにより、個別の悩みの有無にとどまらず、複数の設問結果を横断的に整理するための基礎データを提供する。
なお、本調査はインターネット調査による自己申告データを用いた横断的調査であり、医学的診断や客観的皮膚状態の測定を目的とするものではない。得られた結果は、あくまで回答者の主観的認識に基づく分布として位置づけられる
3. Key Findings(主要結果の整理)
本調査により、一般の20〜50代男女(n=1,000)を対象とした自己申告データに基づき、肌悩みの分布(Q1)、継続期間(Q2)、現在のケア行動(Q3)、情報収集(Q4)、解決しにくい理由(Q5)が同一設計で把握された。以下では、設問別の詳細結果に先立ち、主要な傾向を要約する。
第一に、肌悩みの種類(Q1)は複数が拮抗しており、全体では乾燥 19.1%、シミ 17.9%、毛穴 16.4%、ニキビ 15.7%、シワ 13.6%が上位を占めた。性別別では女性の1位がシミ 24.8%、男性の1位が乾燥 25.4%であり、上位項目に差がみられた。
第二に、継続期間(Q2)では「5年以上」と回答した割合が複数の悩みで半数前後に達しており、シミ 59.8%、毛穴 53.0%、乾燥 52.9%が高い割合を示した。ニキビ(46.5%)やシワ(44.9%)でも一定割合が確認された。
第三に、現在行っているケア行動(Q3)では「何もしていない/不明」と回答した割合が全体で38.0%であった。性別別では男性 49.0%、女性 27.4%で差がみられた。加えて、悩み向け基礎化粧品の利用は女性 32.0%、男性 19.8%であった。
第四に、情報収集(Q4)は「情報収集していない」が全体で58.6%を占めた。年代別の「情報収集していない」割合は20代 48.0%、30代 54.4%、40代 61.2%、50代 70.8%であった。情報収集者における主要情報源は、20代・30代ではSNS(それぞれ35%、31%)、40代・50代ではWeb(それぞれ35%、33%)が最多であった。
第五に、解決しにくい理由(Q5)は、全体では体質・年齢 45%、合うケア不明 22%、正解不明(情報過多)15%が上位であった。性別別では体質・年齢(女性 39.2%、男性 51.0%)が最上位であり、合うケア不明(女性 25.0%、男性 20.0%)、正解不明(女性 17.4%、男性 11.8%)が続いた。
本章で示した数値は要点の抜粋であり、各設問の分布および属性別の詳細は、次章以降で設問別に示す。
4. Results(結果)
4.1 Q1:現在最も気にしている肌悩みの分布
本設問では、回答者に対し、現在最も気にしている肌悩みについて単一回答で選択を求めた。回答は、あらかじめ設定された複数の肌悩み項目の中から、回答時点で最も該当すると認識されるものを一つ選択する形式で行われている。
4.1.1 全体分布の構造
全体集計では、乾燥が19.1%で最も高く、次いでシミ 17.9%、毛穴 16.4%、ニキビ 15.7%、シワ 13.6%が続いた。上位5項目はいずれも10%台後半に分布しており、最上位項目と下位項目との間に大きな乖離は見られなかった。このことから、特定の一項目に回答が集中する構造ではなく、複数の肌悩みが拮抗した状態で並んでいる分布であることが確認された。
また、上位5項目の合計は全体の約8割を占めており、残る項目は比較的低い割合で分散していた。これにより、本調査における「現在最も気にしている肌悩み」は、限られた複数項目の中で構成されていることが示された。
4.1.2 性別による分布差
性別別に分布を整理すると、女性ではシミが24.8%で最も高く、次いで乾燥、毛穴、シワが続いた。女性においては、シミの割合が他の項目より明確に高く、2位以下との差が一定程度存在していた。一方、男性では乾燥が25.4%で最も高く、次いでニキビ、毛穴が上位を占めた。男性では最上位項目と次点以降の差は女性ほど大きくなく、上位項目が比較的近い割合で並んでいた。
このように、男女で最上位となる肌悩みが異なり、上位項目の構成にも差が見られた。女性ではシミおよびシワといった項目が上位に位置する一方、男性では乾燥およびニキビが相対的に高い割合を示しており、性別によって「最も気にしている」と認識される悩みの種類が異なっていた。
4.1.3 年代別の分布推移
年代別に分布を確認すると、20代ではニキビおよび毛穴の割合が相対的に高く、乾燥やシミの割合は他の年代と比較して低かった。特に20代女性ではニキビが最上位項目となっており、同年代男性においてもニキビおよび毛穴が上位に位置していた。
30代では、20代と比較して分布構造に変化が見られ、乾燥および毛穴の割合が上昇した。ニキビは依然として一定の割合を占めていたものの、最上位項目ではなくなり、分布の中心が移行していた。
40代に入ると、シミの割合が顕著に高まり、他の項目を上回るようになった。40代女性ではシミが最上位項目となり、次いでシワおよび乾燥が続いた。40代男性でも乾燥およびシミが上位に位置しており、20代・30代とは異なる分布構造が確認された。
50代では、この傾向がさらに明確となり、50代女性ではシミが他の項目を大きく上回る割合を示した。シワも上位項目として位置づけられており、50代における分布は、若年層とは大きく異なる構成となっていた。50代男性においても、乾燥およびシミの割合が高く、ニキビの割合は相対的に低下していた。
4.1.4 年代×性別の組み合わせによる差異
同一年代内で男女を比較すると、30代以降の各年代において、女性はシミおよびシワの割合が男性より高く、男性は乾燥およびニキビの割合が相対的に高かった。この差は、20代では比較的小さいものの、年代が上がるにつれて拡大していた。
特に40代および50代では、女性におけるシミの割合が突出しており、同年代男性との差が明確に確認された。一方、男性では全年代を通じて乾燥が上位項目として位置づけられており、年代による順位変動は比較的緩やかであった。

Figure 1:男女×年代別 肌悩みTOP5
Figure 1 に、性別および年代別に整理した主要な肌悩みの上位項目を示す。本図は、全体分布、性別差、年代差を同時に俯瞰するための代表図である。
4.2 Q2:肌悩みの継続期間
本設問では、回答者が現在最も気にしている肌悩みについて、その悩みをどの程度の期間にわたって自覚しているかを尋ねた。回答は、あらかじめ設定された複数の期間区分の中から単一回答で選択されている。
4.2.1 全体分布の構造
全体集計では、「5年以上継続している」と回答した割合が、複数の肌悩みで半数前後に達していた。悩み別に見ると、シミ 59.8%、毛穴 53.0%、乾燥 52.9%がいずれも5割を超えており、次いでニキビ 46.5%、シワ 44.9%が続いた。一方、赤み(37.5%)やくすみ(30.6%)では5割未満にとどまり、その他の項目ではさらに低い割合であった。
この分布から、継続期間の長期化が特定の悩みに集中しているのではなく、複数の主要な悩みに広く分布していることが確認された。また、上位項目間の差はあるものの、最上位と次点との差は限定的であり、「5年以上」という区分が複数の悩みに共通して高い割合を占めていた。
4.2.2 悩み別の継続期間差
悩み別に継続期間の分布を整理すると、シミ、毛穴、乾燥では「5年以上」と回答した割合が半数を超えていたのに対し、ニキビおよびシワでは4割台にとどまっていた。赤みやくすみでは3割前後であり、悩みの種類によって長期化の割合に差がみられた。
一方で、ニキビについても「5年以上」と回答した割合が46.5%と比較的高く、必ずしも短期的な悩みとしてのみ認識されているわけではないことが示された。この点は、乾燥や毛穴といった項目と同様に、一定の長期化が認識されている悩みとして位置づけられる。
4.2.3 性別による分布差
性別別に見ると、女性ではシミおよび毛穴において「5年以上」と回答した割合が高く、特にシミでは6割近くに達していた。乾燥についても女性で5割を超えており、複数の悩みで長期化が認識されていた。
男性においても、毛穴および乾燥で「5年以上」と回答した割合が5割前後に達していたが、シミでは女性ほど高い割合にはならなかった。ニキビについては、男女ともに4割台であり、大きな性差はみられなかった。
このように、継続期間の長期化は男女いずれにも共通して確認されたが、その程度や上位項目の構成には性別による違いがみられた。
4.2.4 年代別の分布推移
年代別に整理すると、20代では「5年以上」と回答した割合は相対的に低く、複数の悩みで4割未満にとどまっていた。30代ではこの割合が上昇し、毛穴や乾燥では4割台後半に達していた。
40代では、シミおよび毛穴で「5年以上」と回答した割合が5割を超え、乾燥についても同様の傾向が確認された。50代では、この傾向がさらに明確となり、シミでは6割を超える割合が示され、複数の悩みで長期化が認識されていた。
このように、年代が上がるにつれて「5年以上」と回答する割合が高まる傾向がみられ、継続期間の分布構造が段階的に変化していた。
4.2.5 年代×性別の組み合わせによる差異
同一年代内で男女を比較すると、30代以降の各年代において、女性はシミにおける「5年以上」の割合が男性より高かった。特に40代および50代では、その差が明確であった。一方、乾燥および毛穴では、男女ともに高い割合を示しており、性差は相対的に小さかった。
20代では、男女ともに「5年以上」と回答した割合が比較的低く、年代が上がるにつれて男女差および悩み別の差が拡大していた。

Figure 2:悩み別「5年以上継続している」と回答した割合
Figure 2 に、悩み別に「5年以上継続している」と回答した割合を、年代および性別別に示す。本図は、長期化の程度がどの悩み・どの属性で高いかを俯瞰するための代表図である。
4.3 Q3:現在行っているケア行動
本設問では、回答者に対し、現在最も気にしている肌悩みに対してどのようなケアを行っているかを尋ねた。回答は、あらかじめ設定された複数のケア区分の中から、現在最も近いものを単一回答で選択する形式で行われている。
4.3.1 全体分布の構造
全体集計では、「悩み向け基礎化粧品を使用している」が26.0%、「基本的なスキンケアのみ」が24.0%で上位を占めた。一方、「何もしていない/分からない」と回答した割合は38.0%に達しており、特定のケアを行っていない、もしくは自覚的なケアを行っていない層が一定規模存在していた。
「特別なケア」を行っていると回答した割合は8.0%、「専門的なケア」は4.0%であり、これらを合わせても全体の1割強にとどまっていた。この分布から、ケア行動は主に日常的な対応に集中しており、専門的あるいは集中的な対応を行っている層は限定的であることが確認された。
4.3.2 性別による分布差
性別別に見ると、「何もしていない/分からない」と回答した割合は男性で49.0%、女性で27.4%であり、21.6ポイントの差がみられた。男性では約半数がこの区分に該当しており、他のケア区分を大きく上回っていた。
一方、女性では「悩み向け基礎化粧品を使用している」が32.0%で最も高く、「基本的なスキンケアのみ」25.0%が続いた。女性においては、複数のケア区分に回答が分散しており、特定の一つに集中する構造ではなかった。
「特別なケア」および「専門的なケア」についても性差がみられ、特別なケアは女性 10.2%、男性 5.2%、専門的なケアは女性 5.4%、男性 2.2%であった。
4.3.3 年代別の分布推移
年代別に整理すると、20代では「何もしていない/分からない」と回答した割合が比較的高く、特に20代男性ではこの区分が最上位となっていた。一方、20代女性では「悩み向け基礎化粧品を使用している」が上位に位置していた。
30代では、「基本的なスキンケアのみ」および「悩み向け基礎化粧品を使用している」の割合が上昇し、20代と比較してケア行動が分散する構造がみられた。
40代では、「悩み向け基礎化粧品を使用している」が引き続き高い割合を占める一方で、「何もしていない/分からない」の割合は20代・30代より低下していた。50代では、基本的なスキンケアおよび悩み向け基礎化粧品が主要な区分となり、特別なケアや専門的なケアの割合も他年代と比べてやや高かった。
4.3.4 年代×性別の組み合わせによる差異
同一年代内で男女を比較すると、全年代において男性は「何もしていない/分からない」の割合が女性より高かった。特に20代および30代では、この差が顕著であった。
女性では、年代が上がるにつれて「悩み向け基礎化粧品を使用している」および「特別なケア」の割合が徐々に増加しており、ケア行動の構成が年代とともに変化していた。一方、男性では全年代を通じて「基本的なスキンケアのみ」または「何もしていない/分からない」が主要な区分として位置づけられていた。

Figure 3:悩み別 現在行っているケア行動の概要
Figure 3 に、悩みの種類別に現在行っているケア行動の内訳を示す。本図は、全体構造および性別・年代による分布差を概観するための代表図である。
4.4 Q4:情報収集の有無および情報源
本設問では、回答者に対し、現在最も気にしている肌悩みについて、情報収集を行っているかどうか、ならびに主に利用している情報源を尋ねた。情報収集の有無は単一回答、情報源は該当する選択肢から単一回答で把握している。
4.4.1 全体分布の構造(情報収集の有無)
全体集計では、「情報収集していない」と回答した割合が58.6%、「情報収集している」と回答した割合が41.4%であった。情報収集を行っていない層が過半を占めており、肌悩みに関する情報探索を自覚的に行っていない回答者が一定規模存在していた。

Figure 4:年代別 情報収集の有無
4.4.2 年代別の分布差(情報収集の有無)
年代別に見ると、「情報収集していない」と回答した割合は、20代 48.0%、30代 54.4%、40代 61.2%、50代 70.8%であった。年代が上がるにつれて非収集の割合が段階的に増加しており、20代と50代の間では20ポイントを超える差がみられた。
この分布から、情報収集の有無は年代によって異なる構造を示しており、若年層では相対的に情報収集が行われている一方、年代が上がるにつれて非収集が多数派となる傾向が確認された。
4.4.3 情報収集者における情報源の分布
情報収集を行っていると回答した層(41.4%)に限定して主な情報源を整理すると、年代によって利用される媒体に差がみられた。20代ではSNSが35%で最も高く、30代でもSNSが31%で最多であった。一方、40代ではWebが35%、50代ではWebが33%で最も高かった。

Figure 5:情報収集者における主な情報源(年代別)
年代別に見ると、20代・30代ではSNSが主要な情報源として位置づけられているのに対し、40代・50代ではWebが主要な情報源となっており、年代の上昇に伴って主要媒体が切り替わっていることが確認された。
4.4.4 性別による分布の補足
性別別の集計では、情報収集の有無および主要情報源の分布に一定の差がみられたものの、年代差ほど明確な開きは確認されなかった。性別による違いは、年代構成と組み合わせて解釈する必要がある分布であった。
4.4.5 分布構造の整理
以上の結果から、情報収集の有無は全体として非収集が多数派であり、その割合は年代が上がるにつれて増加していた。一方、情報収集を行っている層においては、主要な情報源が年代によって異なり、若年層ではSNS、中高年層ではWebが中心となる分布構造が示された。
4.5 Q5:解決しにくいと感じる理由
本設問では、回答者に対し、現在最も気にしている肌悩みについて「解決しにくい」と感じる理由を尋ねた。回答は、あらかじめ設定された複数の理由項目の中から単一回答で選択されている。
4.5.1 全体分布の構造
全体集計では、「体質や年齢によるものと考えている」が45%で最も高く、次いで「自分に合うケアが分からない」22%、「情報が多く正解が分からない」15%が続いた。これら上位3項目で全体の8割超を占めており、解決しにくさの認識は、限られた理由項目に集約されていた。
一方、「長続きしない」および「続けにくい」といった行動面に関する理由は、それぞれ1割未満にとどまっており、全体としては上位項目との差が明確であった。
4.5.2 性別による分布差
性別別に見ると、「体質や年齢によるものと考えている」は男性 51.0%、女性 39.2%であり、男性の方が約12ポイント高かった。一方、「自分に合うケアが分からない」は女性 25.0%、男性 20.0%、「情報が多く正解が分からない」は女性 17.4%、男性 11.8%であり、いずれも女性の割合が男性を上回っていた。
このように、最上位項目である「体質・年齢」は男性で高く、次点以降の「適合」や「判断」に関する項目は女性で高い割合を示しており、性別によって理由の構成が異なっていた。

Figure 6:解決しにくいと感じる理由(全体)
4.5.3 年代別の分布推移
年代別に整理すると、全年代において「体質や年齢によるものと考えている」が最上位項目として位置づけられていた。ただし、その割合は年代が上がるにつれて増加しており、50代では他年代と比較して高い水準を示していた。
「自分に合うケアが分からない」および「情報が多く正解が分からない」は、20代および30代で相対的に高く、年代が上がるにつれて割合が低下する傾向がみられた。一方、「長続きしない」および「続けにくい」といった項目は、年代による大きな変動は見られなかった。
4.5.4 年代×性別の組み合わせによる差異
同一年代内で男女を比較すると、各年代において男性は「体質や年齢によるものと考えている」の割合が女性より高く、女性は「自分に合うケアが分からない」および「情報が多く正解が分からない」の割合が高かった。この差は、30代以降でより明確となっていた。
特に40代および50代では、女性において「適合」や「判断」に関する理由が一定割合を維持している一方、男性では「体質・年齢」が理由の大半を占める構造が確認された。
4.5.5 分布構造の整理
以上の結果から、解決しにくい理由は全体として「体質・年齢」「適合」「判断」に関する項目が中心であり、行動面の理由は相対的に少数であった。また、性別および年代によって、上位理由の構成および比率が異なる分布構造が示された。
5. Cross-sectional Observations(横断的観察)
第4章では、各設問(Q1〜Q5)について個別に結果を示した。本章では、これらの結果を設問横断で対応させ、複数の設問にまたがって確認される分布の関係性を整理する。ここでは、特定の設問単体では把握しにくい構造や対応関係に着目し、肌悩みの種類、継続期間、ケア行動、情報収集、解決しにくい理由のあいだにみられる分布の組み合わせを記述する。
本章で示す内容は、第4章の集計結果を並置した事実の整理であり、因果関係の検証や評価を目的とするものではない。各小見出しでは、対応するクロス集計結果を用いて分布の特徴を示す。
5.1 肌悩みの種類と継続期間の関係(Q1 × Q2)
現在最も気にしている肌悩みの種類(Q1)と、その悩みを自覚している継続期間(Q2)を対応させて整理すると、悩みの種類によって継続期間の分布に明確な差がみられた。各悩みを選択した回答者を母数として継続期間の分布を確認している。
悩み別に「5年以上」と回答した割合を見ると、シミ、毛穴、乾燥はいずれも半数前後に達しており、他の悩みと比較して高い水準を示していた。これらの悩みでは、短期区分(半年未満、半年〜1年)に分布が集中するのではなく、中期から長期にかけて分布が広がっていた。一方、赤みやくすみでは「5年以上」の割合は3割前後にとどまり、継続期間の分布は相対的に短期側に寄っていた。

Figure 7:悩み別「5年以上継続している」と回答した割合(Q1 × Q2)
年代別に見ると、20代では多くの悩みにおいて「5年以上」と回答した割合は低く、継続期間の分布は短期から中期に集中していた。30代では、毛穴や乾燥を中心に「5年以上」の割合が上昇し、分布の重心が長期側へ移行していた。40代では、シミおよび毛穴で「5年以上」と回答した割合が過半を超え、乾燥についても同様の傾向が確認された。50代では、この構造がさらに明確となり、シミでは6割を超える割合が示され、複数の悩みで長期化が認識されていた。
同一の悩みについて年代を横断して比較すると、継続期間の分布は段階的に変化しており、特定の年代で急激に切り替わる構造は確認されなかった。例えば、シミでは20代では「5年以上」の割合は低水準にとどまる一方、30代、40代、50代と年代が上がるにつれて段階的に割合が増加していた。毛穴や乾燥についても同様に、年代の上昇に伴って長期区分の比重が高まる分布が確認された。
性別を加えて整理すると、同一年代内において女性はシミに関する「5年以上」の割合が男性より高い傾向がみられた。一方、乾燥および毛穴では男女ともに長期区分の割合が高く、性差は悩みの種類によって異なる分布を示していた。ニキビについては、若年層では短期区分の比重が比較的高いものの、年代が上がるにつれて「5年以上」と回答する割合が増加しており、男女ともに一定の長期化が確認された。
5.2 肌悩みの種類とケア行動の関係(Q1 × Q3)
現在最も気にしている肌悩みの種類(Q1)と、当該悩みに対して現在行っているケア行動(Q3)を対応させて整理すると、悩みの種類によってケア行動の分布構造に差がみられた。各肌悩みを選択した回答者を母数として、ケア行動の内訳を確認している。
乾燥、シミ、毛穴といった全体順位の高い悩みでは、「基本的なスキンケアのみ」および「悩み向け基礎化粧品を使用している」の割合が相対的に高く、これら2区分で回答の過半を占めるケースが多かった。特にシミでは、「悩み向け基礎化粧品を使用している」の割合が他の悩みと比べて高く、ケア行動が特定の区分に集中する傾向がみられた。
一方、ニキビでは、「基本的なスキンケアのみ」「悩み向け基礎化粧品を使用している」に加え、「何もしていない/分からない」が一定割合を占めており、ケア行動の分布は比較的分散していた。赤みやくすみといった全体順位が相対的に低い悩みでは、「何もしていない/分からない」の割合が高く、特定のケア行動に集中しない構造が確認された。
性別別に見ると、同一の悩みであってもケア行動の分布には差がみられた。乾燥および毛穴では、男性において「何もしていない/分からない」の割合が女性より高く、女性では「悩み向け基礎化粧品を使用している」および「特別なケア」の割合が相対的に高かった。シミでは、この差がより顕著であり、女性では複数のケア区分に回答が分散していた一方、男性では特定区分への集中がみられなかった。
年代別に整理すると、20代ではニキビや毛穴において「何もしていない/分からない」の割合が相対的に高く、ケア行動が明確に定まっていない分布が確認された。30代では、「基本的なスキンケアのみ」および「悩み向け基礎化粧品を使用している」の割合が上昇し、分布の中心が移行していた。40代以降では、シミや乾燥を中心に「悩み向け基礎化粧品を使用している」が主要な区分となり、特別なケアや専門的なケアの割合も他年代と比較してやや高かった。
同一年代内で男女を比較すると、全年代において男性は「何もしていない/分からない」の割合が女性より高く、女性は複数のケア区分に分散する分布を示していた。この差は、特に30代以降で明確であり、悩みの種類と性別が組み合わさることで、ケア行動の構成が異なることが確認された。

Figure 8:肌悩みの種類 × 現在行っているケア行動(Q1 × Q3)
Figure 8 は、各肌悩みについて、現在行っているケア行動の内訳を示したクロス集計図である。悩みの種類ごとに、ケア行動が特定の区分に集中しているか、あるいは分散しているかを確認することができる。
5.3 肌悩みの種類と情報収集手段の関係(Q1 × Q4)
現在最も気にしている肌悩みの種類(Q1)と、当該悩みに関して主に利用している情報収集手段(Q4)を対応させて確認すると、悩みの種類によって情報収集の有無および手段の分布に明確な差がみられた。
まず、「情報収集していない(収集なし)」の割合に着目すると、乾燥では65.4%、シミでは57.0%、ニキビでは51.0%、シワでは53.7%がこの区分に該当しており、主要な悩みの多くで過半を占めていた。一方、毛穴では47.6%、くすみでは41.7%と、他の悩みと比較して「収集なし」の割合が低く、情報収集が相対的に行われている構造が確認された。
情報収集を行っている層の内訳を見ると、悩みの種類によって主要な手段が異なっていた。毛穴ではSNS(23.8%)およびWeb記事(14.0%)の割合が高く、複数のオンライン媒体が利用されていた。ニキビではWeb記事(16.6%)およびSNS(12.1%)が比較的高く、情報探索が一定程度行われていた。
一方、シミおよびシワでは、Web記事(それぞれ12.8%、16.2%)や口コミサイト(15.1%、14.7%)が一定割合を占めていたものの、「収集なし」が依然として多数派であった。乾燥では、SNS(9.9%)、Web記事(5.8%)、口コミサイト(9.9%)といずれの手段も1割前後にとどまり、情報収集が限定的な分布となっていた。
赤みでは、「収集なし」が76.2%と最も高く、他の悩みと比較して情報収集がほとんど行われていない構造が示された。一方、くすみでは口コミサイト(19.4%)やWeb記事(13.9%)の割合が比較的高く、同じく「収集なし」が多数派ではあるものの、他の悩みとは異なる分布が確認された。

Figure 9:肌悩みの種類 × 情報収集手段(Q1 × Q4)
Figure 9 は、各肌悩みについて、主に利用されている情報収集手段の分布を示したクロス集計図である。悩みの種類ごとに、情報収集の有無および主要手段の違いを確認することができる。
5.4 肌悩みの種類と「解決しない理由」の関係(Q1 × Q5)
現在最も気にしている肌悩みの種類(Q1)と、その悩みが「解決しない」と感じられている理由(Q5)を対応させて整理すると、悩みの種類ごとに上位理由の構成が異なっていた。ここでは、各悩みについて上位3項目に着目し、理由の組み合わせと比率の違いを確認する。
全体では、「体質・年齢」が45%で最上位、「合うケア不明」22%、「正解不明(情報過多)」15%が続いた。悩み別に見ると、この全体構造を共有しつつも、比率と順位の入れ替わりが確認された。
乾燥では、「体質・年齢」が45%で最上位であり、「合うケア不明」17%、「正解不明(情報過多)」15%が続いた。全体分布と近い構成であり、上位理由が比較的分散していた。シミでは、「体質・年齢」42%が最上位で、「合うケア不明」26%が続き、「正解不明(情報過多)」は16%であった。上位2項目の差が縮まり、「合うケア不明」の比率が相対的に高い構造がみられた。
毛穴では、「体質・年齢」32%、「合うケア不明」30%、「正解不明(情報過多)」22%が上位3項目となり、3項目の比率が拮抗していた。ニキビでは、「体質・年齢」35%が最上位で、「合うケア不明」30%、「正解不明(情報過多)」13%が続いた。いずれも上位理由が複数に分散しており、単一理由への集中はみられなかった。
シワでは、「体質・年齢」が54%と過半を占め、次いで「合うケア不明」21%、「正解不明(情報過多)」13%であった。赤みでは、「体質・年齢」が71%と他の悩みと比較して突出して高く、「合うケア不明」14%、「正解不明(情報過多)」2%が続いた。これらの悩みでは、最上位理由への集中度が高い構造が確認された。
くすみでは、「体質・年齢」25%、「合うケア不明」19%、「正解不明(情報過多)」17%が上位を占め、3項目が比較的近い割合で並んでいた。全体として、悩みの種類によって「体質・年齢」への集中度が高い場合と、「合うケア不明」「正解不明(情報過多)」が相対的に高い場合に分かれていた。

Figure 10:肌悩み別「解決しない理由」TOP3(Q1 × Q5)
Figure 10 は、各肌悩みについて「解決しない」と感じる理由の上位3項目を示したクロス集計図である。悩みの種類ごとに、理由の構成比および集中度の違いを比較することができる。
6. Analysis / Discussion(分析・考察)
本章では、第4章および第5章で示した集計結果と横断的観察を踏まえ、肌悩みに関する認識・行動・情報環境の関係性について整理する。ここでの記述は、結果の意味づけおよび論点の明確化を目的とするものであり、因果関係の断定や特定の解決策の提示を意図するものではない。
6.1 「5年以上」悩んでいる人が多数派になっているという事実
Q1×Q2 のクロス集計(Figure 7)は、現在最も気にしている肌悩みについて「5年以上継続している」と回答した割合が、複数の主要な悩みで過半に達していることを示している。シミ、毛穴、乾燥といった全体順位の高い悩みでは、長期継続が例外ではなく、分布の中心として存在していた。
この結果が示しているのは、特定の悩みが一時的に長引いているという個別事例ではない。むしろ、「現在最も気にしている悩み」として選択された時点で、その悩みがすでに長期にわたって継続しているケースが多数を占めているという分布構造である。短期的な不調が自然に解消されず、時間の経過とともに別の悩みに置き換わるという単純な循環では説明できない状態が、主要な悩みの多くで確認されている。
悩み別に見ると、長期化の度合いには差があるものの、その差は「長期である/ない」の二分ではない。ニキビやシワといった項目でも「5年以上」の割合は4割台後半に達しており、長期化は特定の悩みに限定された現象ではなかった。赤みやくすみでは相対的に低い割合にとどまっているが、それでも一定数が長期にわたって継続していると認識されていた。
年代別の分布を重ねて見ると、長期化は特定の年代で急激に発生する現象ではなく、年代の上昇に伴って段階的に比率が高まる連続的な構造として現れていた。20代では長期区分の割合が低く、30代、40代、50代と進むにつれて比率が増加していく。この推移は、ある年齢を境に悩みが一斉に固定化されるというモデルではなく、時間の経過とともに「長期に属する悩み」が積み上がっていく過程を示している。
性別を加えたクロスでは、同一年代内において女性はシミで、男性は乾燥で「5年以上」の割合が高い傾向が確認された。一方、毛穴では男女ともに長期区分の割合が高く、性差よりも悩みの性質が分布に強く影響している様子がうかがえる。すなわち、長期化は単に年齢や性別の問題として一様に説明できるものではなく、悩みの種類ごとに異なる形で現れる共通構造として存在している。
この分布構造を重要視すべき理由は、「現在最も気にしている悩み」という主観的選択と、「5年以上」という長期継続の自己認識が重なっている点にある。短期的な不調であれば、日常生活の中で重要度が低下し、別の悩みに置き換わる可能性が高い。しかし本調査では、重要度が最上位に位置づけられている悩みの多くが、すでに長期化していると認識されていた。
これは、悩みの“新陳代謝”が十分に起きていない可能性を示す。悩みが解消されて次の悩みに移行するという循環ではなく、同一の悩みが時間をかけて固定化され、生活の中で持続的に意識され続けている状態が、主要な悩みで共通して観察されている。
第5章で示した横断的観察を踏まえると、この長期化構造は単独で存在しているわけではない。ケア行動の分布、情報収集の有無、解決しにくい理由の構成と組み合わさることで、悩みが「長く続いている」という事実が、単なる時間経過では説明できない複合的な状態として現れていることが示されている。
すなわち、長期化は結果であると同時に、次の行動や認識を規定する前提条件になっている。この前提が広範に存在している点こそが、本調査の最も重要な発見の一つであり、後続の分析において検討すべき中心的論点である。
6.2 悩みは長期化しているのに、行動は収束していない
Q1×Q3 のクロス集計(Figure 8)は、現在最も気にしている肌悩みの種類ごとに、現在行われているケア行動の分布が大きく異なっていることを示している。注目すべき点は、長期化が確認された主要な悩みであっても、ケア行動が特定の対応に収束していないことである。
乾燥、シミ、毛穴といった全体順位の高い悩みでは、「基本的なスキンケアのみ」「悩み向け基礎化粧品を使用している」が主要な選択肢として並ぶ一方、「何もしていない/分からない」も一定割合を占めていた。これらの悩みは Q1×Q2 で長期化が示されているにもかかわらず、ケア行動の分布は単一の方向に集約されていない。
特に毛穴では、複数のケア区分が拮抗しており、特定の対応が主流として定着している様子は確認されなかった。ニキビについても、基本的なケア、悩み向け基礎化粧品、未対応が併存しており、悩みの性質や継続期間だけでは、行動の選択が規定されていないことが示されている。
一方、赤みやくすみのように全体順位が相対的に低い悩みでは、「何もしていない/分からない」の割合が高く、ケア行動が選択されにくい構造が確認された。これらの悩みは、長期化の割合が主要な悩みと比べて低い一方で、行動面では未対応が多く、悩みの重要度と行動の有無が必ずしも一致していないことが示されている。
性別の軸を加えると、この分散構造はさらに明確になる。同一の悩みであっても、男性では「何もしていない/分からない」の割合が高く、女性では複数のケア区分に分散する傾向が確認された。特にシミや毛穴では、女性の方が悩み向け基礎化粧品や特別なケアを選択する割合が高い一方、男性では未対応が主要な区分として残存していた。
この分布が示しているのは、悩みが長く続いているという事実が、行動の明確化や高度化に自動的につながっていないという点である。時間の経過によって行動が一方向に洗練されるというモデルは、少なくとも本調査の結果からは支持されない。むしろ、長期化した悩みほど、複数の行動が併存し続ける状態が観察されている。
この行動の非収束性は、単に「ケアをしていない人がいる」という事実を示すものではない。同一の悩みが、異なる行動パターンのまま固定化されているという構造を示している点に重要性がある。悩みが長期化しているにもかかわらず、行動が一つの標準的対応に集約されていないことは、後続の情報収集や解決困難感の分布とも連動して検討されるべき論点である。
第5章で示した横断観察を踏まえると、この非収束構造は、悩みの種類、性別、情報環境と組み合わさることで、さらに複雑な形で現れている。長期化と行動の非収束が同時に存在しているという点は、本白書全体を貫く重要な特徴であり、次節で扱う情報収集との関係を考える前提条件となる。
6.3 情報は存在するが、解決には結びついていない
Q1×Q4 および Q1×Q5 のクロス集計(Figure 9、Figure 10)は、肌悩みに関する情報が一定程度流通しているにもかかわらず、その存在が必ずしも解決感につながっていない構造を示している。ここで重要なのは、「情報が不足している」という単純な状態ではなく、情報が存在している状況下でも解決に至らない分布が確認されている点である。
まず、悩み別に情報収集の有無(Q1×Q4)を見ると、乾燥、シミ、ニキビ、シワといった主要な悩みの多くで「情報収集していない」割合が過半を占めていた。一方で、毛穴やくすみでは「情報収集していない」割合が他の悩みと比べて低く、SNS や Web 記事、口コミサイトといった複数の情報手段が利用されていた。すなわち、悩みの種類によって、情報環境の密度には明確な差が存在していた。
しかし、この情報環境の差は、そのまま解決感の差として現れてはいない。Q1×Q5 の結果を見ると、情報収集が比較的行われている毛穴やくすみにおいても、「合うケアが分からない」「正解が分からない(情報過多)」といった理由が上位に位置していた。情報が存在し、実際に探索されている悩みであっても、解決困難感が残存している構造が確認された。
特に毛穴では、情報収集の手段が複数に分散している一方で、解決しない理由が単一項目に集中せず、複数の理由が拮抗していた。この構造は、情報が不足しているというよりも、情報の多様性そのものが判断の難しさとして現れている可能性を示している。一方、シミやシワでは、情報収集の割合が相対的に低いにもかかわらず、「体質・年齢」が最上位理由として高い割合を占めており、情報探索以前に解決が困難であると認識されている分布が示されていた。
ここで注目すべきは、「情報収集していない」層と「情報収集している」層のあいだで、解決しにくい理由の構成が大きく異なっていない点である。いずれの層においても、「体質・年齢」「合うケア不明」「正解不明(情報過多)」といった理由が上位に位置しており、情報の有無がそのまま解決感の有無を分ける分岐点になっていないことが示されている。
この分布が示すのは、情報が行動や結果に変換される過程に、構造的な断絶が存在している可能性である。情報が不足しているために解決しない場合と、情報が過剰であるために判断できない場合が、悩みの種類によって併存しており、いずれの場合も最終的な解決感に結びついていなかった。
第5章で示した横断的観察を総合すると、情報は単独で解決をもたらす要因として機能していない。悩みの長期化(6.1)、行動の非収束(6.2)、情報と解決感の断絶(本節)が同時に存在していることが、本調査全体を貫く構造である。この三点が重なり合うことで、「情報はあるが、悩みは終わらない」という状態が維持されていると考えられる。
この構造をどのように解釈し、どの要素が鍵となっているのかは、次節でさらに整理する。
6.4 「体質・年齢」に帰着してしまう構造の正体
Q1×Q5 のクロス集計(Figure 10)では、すべての主要な肌悩みにおいて「体質・年齢」が解決しない理由の最上位、もしくは上位に位置していた。この結果自体は直感的にも理解しやすいが、本調査で重要なのは、その出現の仕方と他の理由との関係性である。
悩み別に見ると、「体質・年齢」が突出して高い割合を示す悩みと、他の理由と拮抗している悩みが存在していた。例えば、赤みやシワでは「体質・年齢」への集中度が非常に高く、他の理由との差が大きかった。一方、毛穴やくすみでは、「体質・年齢」「合うケア不明」「正解不明(情報過多)」が近い割合で並び、単一の理由に集約されていなかった。
この違いは、「体質・年齢」という回答が、単なる生物学的要因の反映ではなく、解決困難感を表現するための到達点として選択されている可能性を示している。すなわち、十分に試行錯誤した末の結論として選ばれている場合と、判断や行動が定まらない状態の帰結として選ばれている場合が、悩みの種類によって異なる形で混在している。
第5章で示した横断的観察と照らし合わせると、「体質・年齢」への帰着は、単独で生じているわけではない。悩みの長期化(6.1)、行動の非収束(6.2)、情報と解決感の断絶(6.3)という構造が重なった結果として、最終的に「これ以上どうしようもない」という認識が形成されていると読むことができる。
特に、情報収集が行われている悩みであっても「体質・年齢」が上位理由として残存している点は重要である。これは、情報が存在し、行動も一定程度行われているにもかかわらず、納得できる到達点が見つからない状態が続いている可能性を示している。一方、情報収集自体が限定的な悩みでは、「体質・年齢」が早期に選択され、他の理由が十分に検討されないまま固定化されている構造も考えられる。
このように、「体質・年齢」という回答は、単なる属性要因の説明ではなく、悩みが解決に至らないプロセスの終端に位置づけられているラベルとして機能している可能性がある。その出現頻度の高さは、個々の悩みの性質だけでなく、情報環境、行動選択、時間経過が複合的に作用した結果として理解する必要がある。
本調査が示しているのは、肌悩みが「年齢や体質だから仕方がない」と単純に片づけられる問題ではなく、そうした認識に至るまでの構造的な経路が存在しているという点である。この経路をどのように捉え、どの段階で分岐が生じているのかを明らかにすることが、今後の研究や追加調査における重要な論点となる。
7. Synthesis(統合的考察/総合的示唆)
本白書では、一般の20〜50代男女1,000人を対象とした調査結果を、単一設問ごとの集計にとどまらず、設問横断で整理することにより、肌悩みに関する分布の構造を明らかにしてきた。第4章では個別の結果を示し、第5章ではそれらを対応させ、第6章では分布が示す意味を段階的に検討した。
これらを総合すると、本調査が示しているのは、特定の悩みや属性に限定された現象ではない。悩みの種類は分散しているにもかかわらず、継続期間は長期化し、行動は一方向に収束せず、情報は必ずしも解決感に結びついていない。そして最終的に、多くの悩みが「体質・年齢」という説明に帰着している。この一連の分布は、個々の結果を別々に見ているだけでは把握しにくいが、設問横断で整理することで一つの構造として浮かび上がる。
本章では、これまでに示した結果と分析を踏まえ、本調査全体を貫く構造を整理し、どのような前提のもとでこの調査設計が有効であったのか、また本調査が示す射程がどこまで及ぶのかについて検討する。
7.1 本調査で一貫して確認された構造
本調査を通じて一貫して確認されたのは、肌悩みが単一の要因や単線的な過程によって形成・解消されているわけではないという点である。現在最も気にしている肌悩みの種類は乾燥、シミ、毛穴、ニキビ、シワなど複数に分散しており、特定の一項目に集約される構造ではなかった。一方で、これら主要な悩みの多くは「5年以上継続している」と認識されており、悩みの分散と長期化が同時に存在していた。
この長期化は、特定の年代や性別に限られた例外的な現象ではなく、年代の上昇に伴って段階的に比率が高まる連続的な分布として現れていた。すなわち、肌悩みは一時的な不調として自然に消失していくのではなく、時間の経過とともに生活の中で固定化され、重要度の高い悩みとして持続的に意識され続ける傾向が確認された。
一方、こうした長期化が確認されているにもかかわらず、現在行われているケア行動は特定の対応に収束していなかった。悩み別に見ると、基本的なスキンケア、悩み向け基礎化粧品、特別なケア、専門的なケア、さらには「何もしていない/分からない」といった区分が併存しており、同一の悩みであっても行動の選択は大きく分散していた。この分散は、悩みの重要度や継続期間が高い場合でも解消されておらず、行動が時間とともに一方向に洗練される構造は確認されなかった。
情報環境についても同様の非収束性がみられた。多くの悩みで情報収集が行われていない層が過半を占める一方、情報収集が比較的行われている悩みであっても、その情報が解決感に結びついているとは限らなかった。SNS、Web記事、口コミサイトなど複数の情報手段が利用されている場合でも、「合うケアが分からない」「正解が分からない」といった理由が上位に残存しており、情報の存在自体が解決の到達点になっていない構造が示された。
この結果、悩みの種類を問わず、最終的な説明として「体質・年齢」が選択される割合が高くなっていた。ただし、その出現は一様ではなく、他の理由と拮抗している場合もあれば、単独で突出している場合もあった。これは、「体質・年齢」という回答が単なる属性要因の反映ではなく、長期化、行動の非収束、情報と解決感の断絶が重なった結果として到達する説明である可能性を示している。
以上を総合すると、本調査が示しているのは、悩みが分散して存在しながら長期化し、行動と情報が十分に噛み合わないまま推移し、最終的に解決困難感が固定化されるという一連の構造である。この構造は、いずれか一つの設問結果から直接導かれるものではなく、設問横断で結果を対応させることによって初めて明確になるものであった。
7.2 なぜ Q1 を主軸に据えた設計が有効だったのか
本調査において Q1「現在最も気にしている肌悩み」を主軸に据えた設計は、結果の解釈可能性と構造の可視性の両面において重要な役割を果たした。Q1 は、回答者が複数の悩みを抱えている可能性を前提としながらも、その中で最も重要度が高いと認識されている一項目を特定する設問であり、以降の設問(継続期間、行動、情報、解決困難感)と自然に接続する主語として機能している。
継続期間(Q2)やケア行動(Q3)、情報収集(Q4)、解決しにくい理由(Q5)は、いずれも「その悩みに対してどう認識し、どう行動し、どう感じているか」を問う設問である。これらを Q1 と対応させることで、結果は単なる属性別比較ではなく、一つの悩みを中心にした状態の連鎖として整理することが可能となった。もし Q1 を主軸とせず、各設問を独立して扱っていた場合、長期化、行動の非収束、情報と解決感の断絶といった構造は断片的にしか捉えられなかったと考えられる。
また、Q1 は回答者の主観的な優先順位を反映している点で、行動や情報探索と結びつきやすい。実際、本調査では、悩みの種類ごとにケア行動や情報収集手段、解決しにくい理由の構成が異なっており、これらの差は Q1 を軸に横断することで初めて明確に把握できた。主語が曖昧なままクロス集計を行った場合、このような差異は平均化され、構造として可視化されにくくなる。
さらに、Q1 を主軸とすることで、「どの悩みの人が、どの段階で立ち止まっているのか」という視点が一貫して保たれた。長期化している悩みであっても行動が定まらない場合、情報収集が行われていても解決困難感が残る場合など、悩み別に異なる停滞点が存在することが示されたが、これらはいずれも Q1 を起点に設問を対応させたからこそ読み取れた構造である。
この設計は、特定の悩みや年代を過度に強調することなく、調査全体を通じて一貫した比較軸を提供している。結果として、本調査は「肌悩み一般」を平均像として描くのではなく、悩みの種類ごとに異なる状態遷移が存在することを示す資料となった。Q1 を主軸に据えたことは、こうした構造を浮かび上がらせるための前提条件であったと言える。
7.3 この構造はどこまで一般化できるか
本調査で確認された構造が、どこまで一般化可能であるかについては慎重な検討が必要である。ただし、設問横断で一貫して観察された分布の特徴は、特定の悩みや属性にのみ依存した結果とは言い切れない側面を持っている。
まず、悩みの種類が分散している一方で長期化が常態化し、行動や情報が一方向に収束していないという構造は、乾燥、シミ、毛穴、ニキビ、シワといった複数の主要な悩みに共通して確認された。特定の悩みだけに固有の例外的な分布ではなく、複数の悩みで同様の対応関係が現れている点は、この構造が個別事象ではなく、より広い範囲に適用可能な枠組みを持つ可能性を示している。
また、性別や年代によって比率や集中度には違いがみられるものの、構造そのものが反転する例は確認されなかった。すなわち、年代が若年層から高年層へ移行しても、また男女で比較しても、「長期化」「行動の非収束」「情報と解決感の断絶」「最終的な説明への帰着」という連なり自体は維持されていた。この点から、本調査で示された構造は、特定の属性条件に限定された現象ではないと考えられる。
一方で、本調査は自己申告に基づく横断調査であり、時間的変化を直接追跡したものではない。また、行動の内容や情報の質、個々の生活環境といった要素は詳細に把握されていない。そのため、ここで示された構造が、個々の回答者における実際の変化過程をそのまま反映していると断定することはできない。
それでも、設問設計の観点から見ると、「現在最も気にしている悩み」を主軸に据え、継続期間、行動、情報、解決困難感を対応させて整理する枠組みは、肌悩みに限らず、慢性的に継続しやすい個人課題を捉える際の一つの方法論として応用可能であると考えられる。例えば、生活習慣、健康行動、学習上の困難、その他の自己管理課題などにおいても、類似の分布構造が現れる可能性がある。
本調査が示した射程は、特定の解決策を導くことではなく、課題がどの段階で滞留し、どの要素が噛み合わないまま維持されているのかを構造として把握することにある。この視点は、今後の追加調査や異なる領域での応用において、検証可能な仮説を設定するための基盤となり得る。
8. Methodology(調査方法)
本章では、本白書で用いた一次資料(付録PDF)に基づき、調査の設計条件および集計上の前提を整理する。本白書に掲載したすべての数値および分析は、以下に示す調査条件に基づいて作成されている。
8.1 調査主体および実施体制
- 調査主体:Chocobra Research(ザ・プレミエールファクトリー株式会社)
- 調査実施:Freeasy(株式会社アイブリッジ)
本調査は、調査主体が設計した質問項目および調査条件に基づき、外部調査会社のインターネット調査パネルを用いて実施された。
8.2 調査方法および実施時期
- 調査方法:インターネット調査(オンラインアンケート)
- 調査期間:2026年1月14日〜15日
本調査は、特定時点における回答者の認識を把握することを目的とした横断調査であり、同一回答者を追跡する縦断的設計ではない。
8.3 調査対象およびサンプル構成
- 調査対象:20代〜50代の一般男女
- 有効回答数:1,000人
- 男性:500人
- 女性:500人
- 年代×性別:各セル125人
本調査では、性別および年代(20代・30代・40代・50代)の組み合わせごとに均等割付を行っており、特定の年代または性別に回答が偏らない構成となっている。
8.4 回答方式および設問設計
- 回答方式:
- 全設問必須回答
- スクリーニング設問および分岐設問なし
- 各設問は単一回答形式
本調査で用いた設問構成は以下のとおりである。
- Q1:現在、最も気にしている肌悩み
- Q2:当該肌悩みの継続期間
- Q3:当該肌悩みに対して現在行っているケア
- Q4:当該肌悩みに関する情報収集の有無および主な情報源
- Q5:当該肌悩みが解決しにくいと感じる理由
Q1〜Q5はすべて、「現在最も気にしている肌悩み(Q1)」を主語として接続される設計となっており、各設問は同一の悩みに対する認識・行動・評価を把握することを意図している。
8.5 集計および記述の方針
本白書では、一次資料(付録PDF)に掲載された単純集計およびクロス集計結果を基に、以下の方針で整理・記述を行った。
- 各設問結果は記述統計として提示し、統計的検定(有意差検定、推定、信頼区間等)は実施していない
- 性別、年代、悩み別の差異は、分布の違いとして整理し、因果関係や効果の有無を断定する表現は用いていない
- クロス集計においては、分母の定義(全体/該当悩み選択者等)を明示した上で数値を記載している
なお、割合表示については、一次資料に記載された数値を基に、小数第2位を四捨五入し、小数第1位までを表示している。表によっては、丸め処理の影響により合計が100%と一致しない場合がある。
8.6 一次資料との関係
本白書本文は、一次資料として公開している調査原本PDFに掲載された設問文、単純集計表、クロス集計表を再整理・再構成したものである。設問全文、各設問の詳細な集計結果、および図表の原典については、付録として収録した一次資料PDFを参照されたい。
9. Limitations(限界・注意点)
本白書に掲載した結果および分析は、以下の前提条件および制約のもとで解釈される必要がある。
第一に、本調査はインターネット調査による自己申告データに基づいている。回答内容は、回答者自身の主観的認識を反映したものであり、医学的診断、臨床的評価、客観的な皮膚状態の測定を示すものではない。
第二に、各設問は単一回答形式で実施されている。「現在最も気にしている肌悩み」は複数の悩みを同時に抱えている可能性を排除するものではなく、回答時点で最も重要度が高いと認識された一項目を示している。同様に、解決しにくい理由やケア行動についても、複数の要因や行動が併存している可能性がある。
第三に、本調査は横断調査であり、同一回答者の時間的変化を直接追跡したものではない。継続期間に関する結果は、回答時点での自己認識に基づくものであり、実際の発症時期や経過を時系列で検証するものではない。
第四に、本白書で示したクロス集計および横断的観察は、設問間の対応関係を整理したものであり、因果関係の検証や効果の推定を目的としたものではない。示された構造は、特定の行動や情報が結果を直接的に生み出していることを意味するものではない。
最後に、詳細な単純集計、クロス集計、設問全文については付録として収録した調査原本PDFに委ねている。本白書本文は主要な結果と構造の整理に焦点を当てており、数値の再計算や再分析を行う際には原本資料を参照する必要がある。
10. Citation & Use(引用・利用ルール)
10.1 推奨引用表記
和文引用例
Chocobra Research
「肌悩みランキング調査 白書(2026年1月)」
一般の20〜50代男女1,000人調査、2026年1月実施
英文引用例
Chocobra Research.
Skin Concerns Ranking Survey Whitepaper (January 2026).
Survey of 1,000 adults aged 20s–50s, Japan, January 2026.
10.2 引用時に含めるべき情報
- 調査名称
- 調査時期(2026年1月)
- 調査対象(一般の20〜50代男女)
- 有効回答数(n=1,000)
- 調査手法(インターネット調査)
10.3 利用可能な範囲
本白書に掲載された内容は、出典を明示することを条件として、非営利・営利を問わず引用、転載、二次利用することができる。
対象となる利用例には、学術論文、研究資料、行政資料、教育用途(講義資料、教材等)、メディア記事、調査・分析レポート、企業・団体による公開資料への掲載を含む。
ただし、第9.4に定める禁止・注意事項を遵守すること。
10.4 禁止・注意事項
- 医学的有病率、治療効果、因果関係を断定する表現として使用しないこと
- 個別の商品・サービスの有効性を示す根拠として使用しないこと
- 本白書の一部のみを切り出し、全体の趣旨と異なる文脈で使用しないこと
10.5 図表・データの再利用について
本白書に掲載された図表およびデータは、出典を明記した上で再利用することができる。
再利用条件および詳細な利用規約については、以下のページを参照されたい。
データ利用条件(Data License):
https://premier-factory.co.jp/data-license/
10.6 調査原本について
本白書で使用した調査データの完全版(設問全文、単純集計、クロス集計を含む原本PDF)は、以下のURLにて公開している。
10.7 問い合わせ先
- Chocobra Research(ザ・プレミエールファクトリー株式会社)
- 問い合わせ先:info@premier-factory.co.jp

