トラネキサム酸とナイアシンアミドは併用すべき?肌の“炎症連鎖”を断ち切る戦略

トラネキサム酸とナイアシンアミドのキャラクターが手を取り合い、肌の炎症連鎖を断ち切る“併用戦略”をテーマに構成されたイラスト。炎のアイコンと考える女性の構図が印象的。

ニキビや炎症が治ったあと、赤みやくすみが長引いたり、
毛穴が開いたまま“跡”のように残ってしまう──そんな経験はありませんか?

その背景にあるのが、**肌の“炎症連鎖”**です。

一度起きた炎症は、目に見えなくなっても皮膚の中でじわじわと残り続け、
やがて色素沈着や毛穴の構造変化につながっていきます。

こうした“炎症のあと始末”に効果的とされているのが、
トラネキサム酸とナイアシンアミドの併用ケアです。

この2つは、抗炎症・美白・バリアサポートといった共通点を持ちながらも、
働く場所や得意なアプローチが異なります。

この記事では、それぞれの違いや相性、肌構造に働きかける設計の考え方を整理し、
“残さない肌”をつくるための併用戦略をご紹介します。

🧬トラネキサム酸とナイアシンアミド、何がどう違う?

🧪トラネキサム酸=炎症ブロック+色素生成ストッパー

トラネキサム酸は、もともと医療の現場で止血剤として使われてきた成分です。
その後、メラノサイト(色素細胞)の活性を抑える働きが確認され、
シミや肝斑の治療・予防、美白成分として広く使われるようになりました。

トラネキサム酸の毛穴ケアにおける注目ポイントは次の2つ:

  1. 抗炎症作用によって、肌内部の“静かな炎症”を抑える
     微細な赤みやPIE(炎症後紅斑)を長引かせないために有効。
  2. メラニンの生成をブロックし、色素沈着(PIH)を防ぐ
     毛穴の影ぐすみ、シミのような“残り方”にアプローチ。

つまり、トラネキサム酸は「トラブルが終わった後に目立たせない」「悪化させない」ための、
**“炎症連鎖の初期ブロック”**としての役割が大きい成分です。


🔬ナイアシンアミド=抗炎症+皮脂調整+バリア補強

一方でナイアシンアミド(ビタミンB3)は、
美白、抗炎症、皮脂コントロール、バリア機能改善など、多角的な作用を持つ成分です。

毛穴・赤み・くすみへの関係性で注目すべき機能は以下の3つ:

  1. 炎症を抑える+バリアを強化する
     肌の自己防御力を高めながら、刺激に反応しにくい構造を育てます。
  2. 皮脂の分泌を穏やかに整える
     毛穴の過剰なテカリ・詰まりを抑え、角栓の発生を間接的に防ぐ効果が期待できます。
  3. メラニンの受け渡しを抑制し、くすみを防ぐ
     トラネキサム酸とは異なる角度から“見えない色素沈着”をコントロールします。

つまりナイアシンアミドは、トラネキサム酸よりも**“全体の肌環境を底上げする”**アプローチに優れた成分。
炎症だけでなく、「炎症を起こさせない」「繰り返させない」構造を支えます。


💡2つの成分は「似ている」のではなく「補い合っている」

トラネキサム酸とナイアシンアミドは、どちらも「抗炎症+美白」的な要素を持っていますが、
実際にはそのアプローチの仕方・得意分野・働く深さが異なります。

成分主な作用得意分野働く深さ・範囲
トラネキサム酸抗炎症・メラノサイト抑制PIE・PIH・赤み毛穴の沈静表皮〜真皮浅層
ナイアシンアミド抗炎症・皮脂調整・バリア再構築詰まり毛穴・くすみ・バリア補強角層〜表皮全体+機能調整

トラネキサム酸は、「鎮めて、残さない」
ナイアシンアミドは、「整えて、繰り返させない」

このように整理すると、両者の違いと役割がより明確になります。

🧱炎症→色素沈着→慢性毛穴化の“連鎖”とは?

🔥繰り返すニキビ・赤み・くすみは“構造に残る炎症”

肌荒れが落ち着いたはずなのに、毛穴の赤みやくすみがずっと残っている──
そんな状態を経験したことはありませんか?

それは、**炎症が「治った」ように見えて、実は肌の構造に“残っている”**状態かもしれません。

炎症は、肌の中で次のような流れをたどります:

  1. 赤みや腫れなどの目に見える反応が起きる(急性炎症)
  2. 見た目には落ち着いても、真皮浅層や毛細血管の炎症が残る(慢性炎症)
  3. 炎症後のメラノサイト活性によって、色素沈着が起こる(PIH)
  4. バリアが弱り、外的刺激で再び炎症が起こる(ループ)

このループの中で、毛穴は常に負荷を受け続けています。
・毛穴の縁が硬くなる
・赤みが引かず目立つ
・色素が沈着して影が強調される

この一連の流れが「炎症→色素→構造変化」という、**肌の“炎症連鎖”**です。


🧩トラネキサム酸とナイアシンアミドは“連鎖遮断”のダブルブロック

この炎症連鎖を断ち切るには、一つの成分だけでは不十分です。
必要なのは、「炎症を止める力」と「繰り返させない設計」を両立すること。

ここで活躍するのが、
トラネキサム酸とナイアシンアミドという**“連鎖遮断”の2本柱**です。

トラネキサム酸の役割

  • プラスミン活性を抑制し、炎症物質の放出をブロック
  • メラノサイトの過剰な刺激を抑え、色素沈着を防ぐ
  • 赤み・PIE・PIHといった「目に見える痕」に速やかに働きかける

ナイアシンアミドの役割

  • 炎症のきっかけ(皮脂バランス・バリア不全)を構造的に補正
  • セラミド合成を促進し、バリアを強化
  • 色素沈着の“定着”を防ぎ、透明感のある肌を維持

このように、
トラネキサム酸=「炎症の火を消す」/ナイアシンアミド=「火を起こさせない」
という補完関係が成立します。


🧠毛穴を「目立たせなくする」には“構造的沈静”が必要

毛穴が目立つとき、それは単に「毛穴が大きい」のではなく、
まわりの肌の構造が赤く、暗く、揺らいでいることによって**“影のように見えている”**ケースが多くあります。

  • 毛穴まわりが赤い → 目立つ
  • 毛穴の底が色素沈着 → 暗く沈んで見える
  • 毛穴の縁が硬い → 光を乱反射し、影が濃く見える

こうした毛穴を改善するには、
**詰まりを取るのではなく、「目立たせない状態をつくる」**アプローチが必要になります。

その鍵となるのが、
炎症を止めるトラネキサム酸、
構造を支えるナイアシンアミド、
そしてその両方を同時に、連続的に使える設計です。

🧴併用するなら?使う順番・時間帯・併用設計の注意点

🌙夜に使うなら:ターンオーバーと修復にあわせて浸透設計

トラネキサム酸とナイアシンアミド、どちらも比較的刺激が少なく、
朝も夜も使える安定性の高い成分です。

とはいえ、最大限に効果を引き出したいなら、まずは“夜の集中ケア”から組み立てるのが基本。

夜は肌が外的刺激から解放され、
・ターンオーバーが活性化しやすい
・皮脂の分泌が少なく、成分が浸透しやすい
・睡眠中に“修復モード”へ入る

といった理由から、沈静・美白・再生に関わる成分を届けるのに最適な時間帯です。

特に毛穴・赤み・色素沈着をケアしたい人は、
この2成分を夜に組み込むことで、
「鎮める→守る→育てる」の流れを作ることができます。

おすすめのステップは以下の通り:

  1. 洗顔後、セラミドやグリセリンなどの保湿系化粧水で肌を整える
  2. トラネキサム酸配合美容液(先に使用)
  3. ナイアシンアミド配合クリームまたは乳液(後に使用)
  4. 必要に応じて保湿バームや油分で“守りのフタ”をつくる

ポイントは**「先に鎮めて、あとから支える」**という設計。
トラネキサム酸で炎症と色素を抑えてから、ナイアシンアミドで構造を安定させるのが理想です。


🌞朝に使うなら:紫外線+摩擦+酸化ダメージに先回り

夜のケアでベースが整ったら、
朝にも“守る設計”としてこの2成分を活用していくことができます。

特に以下のような悩みがある人には、朝の使用が効果的です:

  • 紫外線による炎症や色素沈着を“起こさせたくない”
  • 日中のマスク摩擦で赤みが出やすい
  • メイク下地として毛穴の赤みやくすみをカバーしたい

ただし朝のケアは、夜以上に**「設計ミス」が刺激や逆効果を生むリスク**があるため注意が必要です。

朝に使用する際のポイントは次の通り:

  1. 紫外線防御はマスト
     SPF30以上・PA+++のUVケアは必須。特にトラネキサム酸使用時は“赤みを出さない”前提が重要。
  2. 保湿→トラネキサム酸→ナイアシンアミドの順
     朝も“鎮めてから支える”の順番を守ると、肌が安定しやすい。
  3. スクワランやグリセリンなどの守り成分をセットで使う
     酸化や摩擦からの防御力を高めることで、2成分の効果がより持続しやすくなります。

ナイアシンアミドは皮脂調整にも優れているため、
朝に使うことで“テカリによる毛穴開き”の防止にも効果的です。


⚠️併用時の注意点は「濃度」「順番」「バリア状態」

2つとも刺激が少ない成分とはいえ、
併用する場合にはいくつかの注意点があります。

1. 高濃度をいきなり重ねない

ナイアシンアミドは5%を超えると、稀にかゆみや赤みが出るケースがあります。
トラネキサム酸も、濃度が高いと乾燥肌ではピリつきを感じることがあります。
肌に慣れていない場合は、どちらも“低濃度から少量で”始めるのが安心。

2. 鎮める系(トラネキサム酸)→育てる系(ナイアシンアミド)の順番を守る

順番を逆にすると、浸透や作用のバランスが崩れやすくなります。
目的別に「先に赤みを鎮め、あとでバリアを補う」構成を意識。

3. バリアが不安定なときは“どちらか1つ”に絞る

肌が荒れている、赤みが出ている、花粉で不安定などの時期は、まずはトラネキサム酸のみで落ち着かせるのが基本です。

🛁Chocobra的視点──“詰まる前に鎮める”と“戻らない設計”の両立へ

🧬「毛穴が詰まる」のは、角栓だけが原因じゃない

毛穴トラブルというと、どうしても「詰まり=角栓や皮脂の問題」と考えがちです。
けれどChocobraでは、それを**“構造と炎症の複合的な結果”**として捉えています。

たとえば──

  • 肌が乾燥してバリアが乱れる
  • 摩擦や紫外線で赤みが出る
  • 炎症が色素沈着や硬化として定着する
  • 毛穴が動かなくなり、詰まりが起こる

このように、炎症をきっかけに構造が崩れ、その結果として毛穴が詰まるという流れが存在しています。

つまり「詰まった毛穴を取る」のではなく、
“詰まらない構造をつくる”ことが、Chocobraにおける毛穴ケアの本質なのです。


🧪トラネキサム酸で「目立たせない」、ナイアシンアミドで「繰り返させない」

毛穴を詰まらせない構造を育てるために、
Chocobraでは「削る」よりも「流す+整える+守る」ことを重視しています。

ここで、トラネキサム酸とナイアシンアミドはこう機能します:

  • トラネキサム酸:炎症を鎮め、色素沈着や赤みを定着させない
  • ナイアシンアミド:皮脂を調整し、バリアを立て直し、再発を防ぐ

この2つを組み合わせることで、
毛穴のまわりを「目立たせず・揺らがせず・繰り返させない」設計が完成します。

毛穴の問題は“物理的な穴”に見えて、実は“まわりの構造”で印象が大きく変わる。
だからこそ、赤みやくすみといった“見え方のトラブル”を根本から整える成分が必要なのです。


🧱Chocobra式毛穴ケアの中での2成分の役割分担

Chocobraの毛穴ケアは、3層構造で設計されています:

担当役割使用成分例
鎮める炎症・赤み・沈着を起こさせないトラネキサム酸、グリチルリチン酸など
整えるターンオーバー・皮脂・バリアを正常化するナイアシンアミド、セラミドなど
動かす毛穴の流れをつくり、詰まりを未然に防ぐChocobra(ブラシ+ジェル)

この3つのうち、“鎮める”と“整える”を支えるのが
トラネキサム酸とナイアシンアミドです。

順番としては──
1. 炎症の火種を鎮める → 2. バリアと代謝を整える → 3. 流す習慣で詰まりを防ぐ

この流れが確立できれば、毛穴は“戻らない状態”に近づいていきます。


💡目立つ毛穴を“削らず整える”には、構造の連携が必要

毛穴が目立つ理由は、角栓だけではありません。
そのまわりの赤み・くすみ・硬化・炎症残り──
これらがある限り、どんなに詰まりを取ってもまた戻ってきます。

だからChocobraでは、見た目の改善よりも“戻らない構造”を育てることを最優先に考えています。

トラネキサム酸とナイアシンアミドの併用は、
その「構造づくり」にとって非常に相性のよい組み合わせです。

“詰まる前に鎮める”。
“整えてから流す”。

それが、削らずに毛穴を変えていくChocobra的アプローチです。

🧭まとめ|毛穴・赤み・色素沈着を“構造で断ち切る”併用設計

毛穴の開きや赤み、色素沈着は、表面的なトラブルに見えて、
実は肌構造の深いところで続いている“炎症連鎖”の結果です。

・赤みが消えない
・くすみが定着する
・毛穴の影が目立つ

──そのすべてに共通するのが、**「炎症が残って構造がゆがんだままになっている」**ということ。

トラネキサム酸とナイアシンアミドは、
この連鎖を“別のルートから同時に止める”数少ない組み合わせです。

  • トラネキサム酸:鎮めて、赤み・沈着を起こさせない
  • ナイアシンアミド:整えて、炎症を繰り返させない

この2つを継続的に取り入れることは、
毛穴が戻らなくなる「構造的な肌のリセット」を育てる戦略といえます。


🧪ちふゆのひとことメモ|「毛穴の赤みって、ちゃんと治さないと形になる」

ニキビが治ったはずなのに、
赤みだけがずっと残って、そこだけ毛穴がぽっかり開いたまま。

「肌は治ってるのに、見た目が戻らない」って、すごくもどかしくて。

でも、トラネキサム酸で“鎮めて”、
ナイアシンアミドで“整える”ようにしたら、
少しずつ「肌が落ち着いて見える日」が増えてきました。

毛穴って、見た目の“輪郭”だけじゃなくて、
まわりの構造が整うと、ちゃんと“目立たなくなる”んだと思います。


🛁毛穴は、詰まる前に「鎮めて整えて」流すのが正解

Chocobraは、毛穴が詰まる前に皮脂と角質を“動かして流す”ケア。
でも流すだけでは、赤みや沈着が残れば毛穴はまた目立ってきます。

だからこそ──

  • トラネキサム酸で赤みを鎮める
  • ナイアシンアミドで構造を安定させる
  • その上でChocobraで“戻らない流れ”をつくる

この順番を守ることで、
毛穴は“詰まらない・目立たない・戻らない”構造へと変わっていきます。

👉 Chocobraについて詳しくはこちら(Amazon商品ページ)

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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。