化粧品の“pH”で肌はどう変わる?──角質のなじみやすさが変わる

「化粧品の『pH』で肌はどう変わる?──角質のなじみやすさが変わる」を説明するイラスト。 左側にはpHメーターを擬人化したキャラクターが描かれ、右側には化粧品のpHによる肌への影響を心配する女性。 中央のメッセージでは、化粧品のpHバランスが角質の状態やなじみやすさを左右し、肌の反応が変わることを示している。
この記事を書いた人|佐藤ちふゆ(Chocobra開発チーム)
毛穴ケア開発スペシャリスト
肌の“なぜ?”を構造から読み解く研究者。
毛穴・黒ずみから成分・ニキビ・エイジングまで、幅広い悩みを科学的にやさしく解説します。
毎日のケアが迷わず続けられるよう、“仕組みの見える美容”をお届けします。

💭「化粧品の“pHが弱酸性”ってよく聞くけど、実際なにが違うの?」
💭「pHが合わないと、なんとなくザラつきやすい気がするのはなぜ…?」

──そんな疑問、ありませんか?

実は、化粧品の pH(酸性・中性・アルカリ性)
肌の“角質がどう反応するか”に深く関わっています。

角質は弱酸性の環境で安定するため、
pHが肌に合っていれば なじみやすく、乾燥しにくく、影も出にくい 一方、
アルカリ寄りになるほど皮脂が落ちやすく、
そのぶん 乾燥・ゴワつき・毛穴の影の悪化 につながることがあります。

つまり、

  • 弱酸性 → 角質がほどよく落ち着きやすい
  • 中性 → 一般的で刺激が少ない
  • アルカリ性 → 汚れは落ちやすいが乾燥のリスク

という違いがあり、
pHひとつで“角質の扱いやすさ”が変わるのです。

この記事では、

  • pHが肌に与える影響
  • 角質のなじみやすさがどう変わるのか
  • 毛穴の影・黒ずみとpHの意外な関係
  • 夜ケアでpHを味方にする方法

をやさしく解説します。

pHはただの数値ではなく、
角質をどう扱うかを決める“見えないスイッチ” なんです。

🌀 pHは“肌にどう影響する”指標なのか?

💧 pHは“酸性〜アルカリ性”を示す数値。角質の落ち着き方が変わる

化粧品のpHは、
どれくらい酸性か・中性か・アルカリ性か を表す数字です。

実はこのpH、
肌表面の角質が「落ち着きやすいか」「乾きやすいか」を大きく左右します。

肌そのものは弱酸性で保たれているため、
そのバランスに近いほど角質はなじみやすく、
離れるほど「乾燥・ゴワつき」が起こりやすくなります。

つまりpHは、
角質がどんな反応をするかを示す“肌との相性値” と言ってもいい存在です。

🌡 弱酸性に近いほど“角質がゆるみすぎず落ち着く”

多くの化粧品が“弱酸性”をうたう理由は、
角質が一番落ち着きやすいのが弱酸性だから。

弱酸性の化粧品は、

  • 肌を乾燥させにくい
  • 角質が必要以上にふやけない
  • 毛穴の縁がしぼみにくい

といった特徴があります。

これにより、
“影が濃く見える日”が減り、毛穴が安定して見えやすくなります。

🧴 中性は“刺激が少ない”代わりに皮脂がやや落ちにくい

中性の化粧品は刺激が少なく扱いやすいですが、
弱酸性と比べると角質への“なじみ感”はやや弱まります。

そのため、

  • 肌が荒れている日
  • 乾燥しやすい季節
  • バランスを崩しやすい敏感肌

には安心感のある選択肢。

ただし、皮脂やメイクを落とすパワーは穏やかなので、
「皮脂を動かしたい日」には物足りなく感じる場合もあります。

🫧 アルカリ寄りは“汚れが落ちやすい”が乾燥しやすい

アルカリ性寄りの洗顔料は、
皮脂を落とす力が強いのが特徴。

しかしその反面、

  • 必要な皮脂まで流れやすい
  • 角質がふやけてゴワつきにつながる
  • 毛穴の縁がしぼみやすく影が深く見える

といったデメリットもあります。

特に毛穴が気になる人ほど
「乾燥→縁のしぼみ→影が濃く見える」という
悪循環が起きやすいため慎重に使う必要があります。

😣 pHバランスが崩れると“影が濃く見える日”が増える

pHが肌に合わないスキンケアを続けると、
角質が無理にふやけたり、必要以上に乾燥したりして
毛穴の影が濃く見える日が増えることがあります。

とくに、

  • アルカリ寄りの洗顔を毎日使う
  • 酸性のピーリングを重ねすぎる
  • 乾燥が強いのに弱酸性ではない化粧品を使う

といった状況は、
“角質の扱い方”が乱れて影を濃くしてしまう原因に。

角質は思った以上にpHの影響を受けやすいのです。

💡 結論:pHは“角質がどれだけ扱いやすくなるか”を決める重要な指標

ここが最重要ポイント。

pHは単なる数値ではなく、

  • 角質が落ち着くか
  • 乾燥しやすいか
  • 毛穴が暗く見えるか
  • 影が入りやすいか

といった“肌の見え方”を左右する大きな要素。

弱酸性は落ち着き、中性は無難、アルカリは落ちやすいけれど乾燥リスクあり。

pHを意識するだけで、
毛穴ケア全体の質が一段上がります。

🧪 弱酸性〜アルカリ性で変わる“角質のなじみやすさ”

💧【弱酸性】角質が“落ち着きやすい”最適ゾーン

肌そのものは弱酸性で保たれているため、
弱酸性の化粧品は 角質が自然な状態で落ち着きやすい という特徴があります。

弱酸性のメリットは、

  • 角質が必要以上にふやけない
  • 肌の水分が逃げにくい
  • 毛穴の縁がしぼみにくい
  • 影が入りにくく、毛穴が明るく見える

という“日常ケアに理想的な安定感”。

とくに、
毛穴の影が濃く見えやすい人や、乾燥しやすい季節には、
弱酸性がベースになると毛穴の見え方が安定しやすくなります。

🫧【中性】刺激が少なく“無難”だが角質のなじみは弱め

中性の化粧品は刺激が少なく、
敏感な日でも使いやすいのが魅力です。

ただし弱酸性に比べると角質が落ち着きにくく、

  • ゴワつきが残りやすい
  • 毛穴の縁の硬さが取れにくい
  • 表面の明るさが出にくい

など“ちょっと物足りない”と感じる日もあります。

とはいえ、乾燥が強い肌やゆらぎやすい肌には、
中性の安心感が役立つ場面が多いです。

🌡【弱アルカリ性】皮脂は落ちやすいが乾燥リスクが高まる

弱アルカリ性の洗顔料は、
皮脂を落とす力が強い のが特徴です。

その一方で、

  • 必要な皮脂まで落ちやすい
  • 角質がふやけて硬くなりやすい
  • 毛穴の縁がしぼみ、影が濃く見える
  • 乾燥から皮脂過多の悪循環につながる

という“乾燥のトラップ”があります。

「洗顔後に毛穴が濃く見える」
という人は、pHが原因であるケースが非常に多いです。

😣【酸性が強すぎる or アルカリが強すぎる】角質が乱れて毛穴が悪目立ち

pHが極端に低い(強い酸性)・高い(アルカリ性)アイテムは、
角質の整い方に大きな影響が出ます。

強い酸性 →

  • ピーリング作用が強く、角質が薄くなりやすい
  • 刺激を感じやすく、毛穴の縁が不安定に

強いアルカリ性 →

  • 必要な皮脂も一気に落ちる
  • 乾燥から縁がしぼみ、影が一気に濃く見える

この“角質の乱れ”が続くと、
毛穴の影が定着しやすくなり、悪目立ちの原因になります。

💡 結論:pHは“角質の扱いやすさ”を左右する。毛穴の見え方にも直結

pHは数字に見えて、じつは

  • 角質が落ち着くか
  • 乾燥しにくいか
  • 毛穴の影がどう見えるか
  • 皮脂がどれだけ落ちるか

に直結する重要な要素です。

弱酸性は安定、中性は無難、アルカリは強い落としすぎのリスクあり。
pHが合っていると角質が扱いやすくなり、
毛穴の影も不必要に濃く見えにくくなります。

🧼 間違ったpHケアで起きるトラブル──乾燥・ザラつき・影の悪化

💧 pHが合わないと“角質が乱れやすい”

肌は弱酸性の環境で落ち着くようにできています。
そのため、pHが肌に合っていないスキンケアを続けると、
角質が必要以上にふやけたり、逆に乾燥して硬くなったりと
“扱いにくい角質”が育ちやすくなります。

角質が乱れると、

  • メイクのりが悪くなる
  • ゴワつきが増える
  • 表面の影が濃くなる

という悪循環につながります。

🌡 アルカリ寄りの洗顔を使いすぎると“皮脂の落としすぎ”が起きる

アルカリ寄りの洗顔は皮脂を落とす力が強いですが、
毎日使うと肌に必要な皮脂まで落としてしまいます。

すると、

  • 肌が乾燥する
  • 防御反応で皮脂が増える
  • 皮脂の偏りが起きて影が濃く見える
  • 毛穴の縁がしぼみ、深く見える

といった “乾燥と過剰皮脂のループ” が発生します。

毛穴が悪目立ちする日の多くが、
このループに入り込んでいる状態です。

😣 酸性が強すぎるピーリング系は“角質が薄くなりすぎる”

酸性が強い化粧品(AHA系など)を頻繁に使いすぎると、
角質が必要以上に削られて “薄くなりすぎ” の状態に。

角質が薄いと、

  • 肌の水分が逃げやすい
  • 刺激を感じやすい
  • 毛穴の縁が不安定になる
  • 光の反射が乱れて影が黒く見える

という“揺らぎ毛穴”が起きやすくなります。

強いケア=良いケアではないという典型です。

🫧 pHバランスが乱れると“影が深く見える日”が増える

pHが肌に合っていないと、角質が整わず
毛穴の縁がしぼんだり、乾燥で影が落ちやすくなります。

これにより、

  • 毛穴が黒く見える
  • 毛穴が深く見える
  • ざらつきが影として強調される

といった “影トラブル” が出やすくなります。

実際には角栓が増えたわけではなく、
角質の乱れと光の反射の悪化 が原因です。

💡 結論:pHの合わないケアは“角質の乱れ→影の悪化”を招く

ここが最重要ポイントです。

間違ったpHケアがもたらすのは、

  • 角質が乱れて扱いにくくなる
  • 乾燥か、ふやけのどちらかが起きる
  • 毛穴が深く見える“影トラブル”が発生する
  • 皮脂の偏りで黒ずみが戻りやすくなる

という “見た目の悪化へ直行するルート”

毛穴そのものが悪化していなくても、
pHの合わないケアで角質が乱れるだけで
毛穴は簡単に悪目立ちしてしまいます。

🌙 pHを味方につける夜ケアの考え方

🌡 夜は“角質が乱れやすい時間帯”。pHの選び方で差がつく

夜は、日中の皮脂酸化・乾燥・摩擦の影響が蓄積され、
角質が乱れやすい状態になっています。

このときにpHの合わないケアを重ねると、
角質がさらに扱いづらくなり、

  • 乾燥で縁がしぼむ
  • ゴワついて影が濃くなる
  • 毛穴の暗さが増す

といった“夜の悪化ループ”が加速します。

夜こそ 角質が無理にゆるみすぎないpH を選ぶ必要があります。

💧 基本は“弱酸性”で角質が落ち着きやすい状態へ

角質は弱酸性の環境で最も落ち着くため、
夜ケアの基本は 弱酸性ベース にするのがおすすめです。

弱酸性のメリットは、

  • 角質がふやけすぎない
  • 毛穴の縁がしぼみにくい
  • 翌朝の影が出にくい
  • 肌の明るさが安定しやすい

という“夜の回復”に最適な性質。

まずは弱酸性のクレンジング・化粧水・保湿剤を中心にするだけで
毛穴の影が出にくい肌に近づきます。

🫧 洗浄系は“アルカリ寄りを連日使わない”が鉄則

アルカリ寄りの洗浄は皮脂を落とす力が強いぶん、
毎日使うと角質が乱れやすくなります。

夜ケアでは、

  • アルカリ寄りの洗顔は週1〜2回まで
  • 乾燥する日は中性〜弱酸性で調整
  • 汚れが気になる日だけ強めpHを投入

という“pHのメリハリ”が必要になります。

毎日アルカリに頼ると、
乾燥→過剰皮脂→影が濃く見える、の悪循環につながるため注意です。

😌 “疲れている日”は中性で刺激を最小限に

肌が疲れている日は、角質が薄くなったり、
逆にふやけて不安定になったりしやすい状態。

そんな日は、
中性のスキンケアで負担を最小限に抑える のが正解です。

中性は、

  • なじみやすい
  • 刺激が少ない
  • 保湿に影響が出にくい

といった“ニュートラルな安心感”があるため、
ゆらぎ日の夜ケアに最適です。

💡 結論:夜のpHケアは“角質を乱さないこと”が最優先

ここが最も重要なポイントです。

夜のpHケアで大切なのは、

  • 基本は弱酸性で角質を落ち着かせる
  • アルカリ寄りは「必要な日だけ」
  • ゆらぎ日は中性で負担を最小限
  • pHの選び方で翌朝の毛穴の影が変わる

という “角質を乱さず、翌朝の影を軽くする設計”

pHは毛穴ケアの裏側を支える重要な要素であり、
夜の選択だけで毛穴の見え方が大きく変わります。

📘 まとめ|pHは“角質と相性”を見極めるためのヒント

化粧品のpHはただの数字ではなく、
角質がなじみやすくなるか、扱いにくくなるか を左右する重要な指標です。

今回のポイントを整理すると、

  • 肌は弱酸性で保たれているため、弱酸性が角質の落ち着きに最適
  • 中性は刺激が少なく、ゆらぎ日でも扱いやすい
  • アルカリ寄りは汚れ落ちは強いが、乾燥や影の悪化リスクが高い
  • pHが合わないケアは、乾燥・ゴワつき・影の濃さを招きやすい
  • 夜ケアでは“弱酸性ベース+pHのメリハリ”が理想
  • pHを意識するだけで、毛穴の影が軽くなり明るさが安定する

pHは“見た目”に直接影響しないように見えて、
じつは毛穴の印象を左右する影の強さに直結します。
角質が落ち着くpHを選ぶだけで、
毛穴はぐっと悪目立ちしにくくなるのです。

🧪ちふゆのひとことメモ

私はずっと「洗顔後に毛穴が濃く見える日」の理由が分かりませんでした。
でも実は、pHが角質をふやけさせたり乾燥させたりして、
“影が落ちやすい状態”をつくっていただけだったんです。

弱酸性に戻しただけで、
毛穴の影がふわっと軽くなり、
肌の機嫌まで分かりやすくなりました。

pHは小さな数字ですが、
角質が扱いやすくなるかどうかを決める、大きなヒント だと思っています。

🛁Chocobraの毛穴マッサージケアは、“角質が落ち着く夜の弱酸性仕上げ”です

夜のバスタイムで温め、
専用シリコンブラシでやさしい圧をかけて皮脂を動かし、
仕上げに弱酸性のビタミンC誘導体美容液で角質を落ち着ける。

この流れは、
角質の乱れ・影の濃さ・乾燥の連鎖 を断ち切り、
毛穴の明るさを保つための理想的なpH設計です。

角栓は洗顔じゃ落ちないの説明画像
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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。美容成分の研究にも携わり、成分知識に精通。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。