スクワレンの酸化がニキビを引き起こす理由|皮脂の化学変化を追う

「スクワレンが酸化する様子と、それが毛穴内部で炎症やトラブルを引き起こす様子を肌の断面図とアイコンで示したイラスト

「しっかり洗顔しているのにニキビができる」
「皮脂が多いから仕方ないのかな?」

──そんな悩みを抱える人は少なくありません。

実は、ニキビの背景には 皮脂の化学変化 が深く関わっています。
皮脂の主成分のひとつ スクワレン は、紫外線や酸素に触れると非常に酸化しやすく、
その酸化が毛穴の詰まりや炎症を引き起こす原因になるのです。

「皮脂が多い=ニキビ」という単純な構造ではなく、
皮脂がどう変化するか が重要なポイント。

この記事では、

  • なぜスクワレンが酸化しやすいのか
  • 酸化したスクワレンが毛穴やニキビにどう影響するのか
  • 既存ケアの限界と予防の新しい視点

をわかりやすく解説していきます。

ニキビを防ぐために必要なのは「皮脂をゼロにする」ことではなく、
酸化をコントロールする習慣です。

🌀なぜ皮脂の中でもスクワレンは酸化しやすいのか?

💭「皮脂=油」では終わらない話

皮脂は「油っぽいからニキビの原因」と思われがちですが、
実はその性質は一様ではありません。

皮脂の中には大きく分けて以下の成分があります。

  • トリグリセリド(中性脂肪)
  • ワックスエステル
  • コレステロール
  • そして スクワレン

この中で、特に「酸化しやすい」とされるのがスクワレンです。

🧪 スクワレンの特徴

スクワレンは、炭素と水素が連なった「炭化水素」という構造を持っています。
その中には二重結合が6つも含まれていて、非常に不安定。

  • 二重結合が多い → 酸素や紫外線と結びつきやすい
  • 安定しにくい → 他の成分よりもすぐに酸化する

つまり、皮脂の中でもスクワレンは「酸化のスピードランナー」なのです。

🌞 紫外線が“スイッチ”になる

日中、肌は紫外線を浴びます。
紫外線は皮脂に直接エネルギーを与え、特にスクワレンをターゲットにします。

  • 紫外線によりスクワレンがラジカル(不安定な分子)に変化
  • その結果、周囲の酸素と反応して「過酸化スクワレン」に
  • これが毛穴や肌にダメージを与えるスタート地点になる

洗顔で一度皮脂をリセットしても、日常生活の中ですぐに酸化が始まるのはこのためです。

🌀 酸化しやすさの比較

研究では、スクワレンは他の皮脂成分に比べて圧倒的に酸化しやすいことが確認されています。

  • トリグリセリドやワックスエステル → 比較的安定
  • スクワレン → 紫外線や空気にさらされるとすぐに変質

皮脂の中でわずか10%程度しか含まれていない成分なのに、
酸化における“主役”はスクワレンと言ってよいのです。

💡 ポイントは「酸化の質」

大切なのは「皮脂が多いから悪い」のではなく、
皮脂の中でも酸化しやすいスクワレンが問題を引き起こすということ。

中学生・高校生のニキビが目立ちやすいのも、皮脂の分泌量が多く、
紫外線や生活習慣の影響を受けやすいから。

つまり、ニキビの本質は「皮脂の量」ではなく 皮脂の変質(酸化) にあるのです。

✅ここで押さえておきたいポイント

  • 皮脂はさまざまな成分で構成される
  • その中で最も酸化しやすいのが「スクワレン」
  • 二重結合が多く、酸素や紫外線と結びつきやすい
  • 紫外線を浴びると酸化が一気に進み、「過酸化スクワレン」が生まれる
  • 問題は皮脂の量ではなく、質=酸化のしやすさ にある

🧪スクワレンが酸化すると何が起こる?──ニキビとの関係

💭「皮脂が酸化するとどうなるの?」

スクワレンが紫外線や酸素によって酸化すると、ただ“古くなる”だけではありません。
酸化スクワレンは、毛穴の中でさまざまな悪影響を引き起こします。

🧱 ① 毛穴をふさぐ“角栓”を育てる

スクワレンが酸化すると、周囲の角質や皮脂と結びつきやすくなります。
その結果、毛穴の出口にフタのような「角栓」ができやすくなるのです。

  • 正常な皮脂 → スムーズに外へ流れる
  • 酸化した皮脂 → ベタつき、角質と混ざって固まる

これが白いプツプツや黒ずみの「芯」となり、毛穴づまりを悪化させます。

🔥 ② 肌に炎症を起こす

酸化スクワレンは「過酸化脂質」と呼ばれる刺激物。
これは毛穴の周囲に炎症を引き起こしやすい性質を持っています。

  • 赤ニキビが腫れやすくなる
  • 肌が敏感になり、少しの刺激でも悪化
  • 炎症後に色素沈着やニキビ跡が残りやすい

つまり、酸化スクワレンは「詰まりを作る」と同時に「炎症を悪化させる」ダブルの要因なのです。

🦠 ③ アクネ菌を増やす環境をつくる

毛穴の中には常在菌である「アクネ菌」が存在します。
通常は肌のバランスを保つ役割もある菌ですが、酸化スクワレンが増えると話が変わります。

  • 酸化スクワレンがアクネ菌のエサになる
  • アクネ菌が増殖 → 毛穴内の炎症をさらに悪化
  • 結果としてニキビが広がる

「皮脂が多い=アクネ菌が増える」ではなく、
酸化スクワレンがあるからこそアクネ菌が異常に増える のです。

🌊 ④ 毛穴の“流れ”が止まる

正常な毛穴は小川のせせらぎのように皮脂が外へ流れます。
しかし酸化スクワレンが増えると粘度が高まり、流れが滞ってしまいます。

  • 流れがある → 皮脂は酸化前に外へ排出
  • 流れが止まる → 毛穴の中で酸化 → 角栓や炎症に進行

この「沼毛穴」の状態こそが、ニキビを繰り返す最大の要因です。

💡 ニキビは「酸化の病」

ここまでを整理すると、ニキビは単なる皮脂過多の結果ではなく、
スクワレンが酸化することで進行する“酸化の病” と言えます。

  • 角栓を育てる
  • 炎症を起こす
  • アクネ菌を増やす
  • 毛穴の流れを止める

この4つの要素が重なり、ニキビは悪化していきます。

✅ここで押さえておきたいポイント

  • 酸化スクワレンは角栓の材料になり、毛穴をふさぐ
  • 過酸化脂質は炎症を引き起こし、赤ニキビを悪化させる
  • アクネ菌の増殖を助け、ニキビを広げる原因になる
  • 毛穴の流れを止め、“沼毛穴”をつくる
  • ニキビは「皮脂の量」より「酸化の有無」がカギ

🧼既存の洗顔やケアではスクワレン酸化を防げない理由

💭「ちゃんと洗ってるのにニキビが治らない」

多くの中学生・高校生が経験しているのがこの悩みです。
毎日きちんと洗顔していても、数日後にはまた角栓やニキビが戻ってしまう。
なぜでしょうか?

答えはシンプルで、既存のケアはスクワレン酸化を止められないからです。

🧴 洗顔は「表面リセット」だけ

洗顔は大切ですが、その役割は「肌の表面を清潔にすること」です。

  • 表面に残った皮脂や汚れは落ちる
  • しかし毛穴の奥に残った皮脂までは届かない
  • 酸化が始まったスクワレンは洗顔では分解できない

そのため、どれだけ泡洗顔を続けても 「また黒ずみが出てくる」 という現象が起きるのです。

🩹 鼻パックやスクラブは「引き抜く・削る」だけ

鼻パックで角栓を取ると、一時的に毛穴がきれいに見えます。
しかしそれは「見えている部分を無理に引き抜いただけ」。

  • 毛穴の奥の酸化スクワレンは残ったまま
  • 出口が広がり、さらに皮脂がたまりやすくなる
  • 数日後には角栓が再び育つ

同じく、スクラブやピーリングも表面を削るだけで、酸化を止めることはできません。
一瞬の満足感はあっても、根本解決にはならないのです。

🧪 化粧品の限界

「皮脂を抑える化粧水」や「オイルフリーのジェル」も人気ですが、
これらもスクワレン酸化そのものを止めることはできません。

  • 皮脂分泌を一時的に抑えるだけ
  • 酸化が始まった皮脂をリセットする効果はない
  • 毛穴の流れを整える働きも弱い

つまり「皮脂を減らす」アプローチでは、酸化に由来するニキビを防ぎきれないのです。

🌊 問題は「酸化する前の流れ」

スクワレン酸化を防ぐ本質は、
皮脂が酸化する前に毛穴の外へ流れる状態をつくること

  • 流れが止まれば、酸化が進み角栓や炎症に
  • 流れがあれば、皮脂は外に出て酸化する前に処理される

既存のケアは「落とす」「削る」ばかりで、
毛穴を“せせらぎ”に変える視点が抜けているのです。

💡「泡洗顔は正しい、でも足りない」

誤解してはいけないのは、洗顔が不要ということではありません。
洗顔は清潔を保つ上で必須ですが、それだけでは足りないのです。

必要なのは、泡洗顔で表面を整え、さらに
やさしい圧で毛穴を動かす習慣を取り入れること。
これによって皮脂の流れが維持され、スクワレン酸化が進みにくい環境をつくれます。

✅ここで押さえておきたいポイント

  • 洗顔は表面をリセットできるが、酸化スクワレンは落とせない
  • 鼻パックやスクラブは一時的で、逆に毛穴を広げてしまう
  • 皮脂を抑えるだけの化粧品では酸化を防げない
  • 本質は「酸化する前に流す」こと
  • 泡洗顔+やさしい圧で毛穴の流れを整える習慣が必要

🌙スクワレン酸化を防ぐ新視点|“やさしい圧”とビタミンC誘導体の役割

💭「酸化を止める」という発想

ここまで見てきたように、スクワレンは皮脂の中でも特に酸化しやすく、
それが角栓や炎症、ニキビを引き起こす大きな要因になります。

つまり本質は「皮脂をゼロにする」ことではなく、
酸化を止める仕組みを生活の中でどう作るか にあります。

従来のケアは「洗う」「削る」「一時的に皮脂を減らす」が中心でした。
しかしこれらは酸化を止められず、再発を繰り返します。

ここで必要なのが、
“やさしい圧”による毛穴の流れ作り+ビタミンC誘導体による酸化防止
という新しい二段構えの発想です。

🌀 ① “やさしい圧”で毛穴を動かす

毛穴は小川のように皮脂を外へ流す仕組みを持っています。
しかしスクワレンが毛穴にとどまれば、すぐに酸化し角栓に育ってしまいます。

そこで有効なのが「やさしい圧」をかける習慣。

  • バスタイムで毛穴が温まった状態
  • ブラシや指の腹で“やさしい圧”をかけて動かす
  • 毛穴に滞留していた皮脂が流れやすくなる

流れを作ることで、スクワレンが毛穴の中で酸化する前に外へ出ていくのです。

☀️ ② ビタミンC誘導体で酸化を防ぐ

皮脂が毛穴の外に出ても、紫外線や大気汚染によって酸化は進みます。
そこで必要になるのが「酸化そのものを抑えるケア」。

ビタミンC誘導体は代表的な抗酸化成分で、

  • 酸化スクワレンの発生を防ぐ
  • 炎症を抑え、ニキビ跡の色素沈着を軽減する
  • コラーゲン生成を助け、毛穴周りのハリを守る

まさに「守りの柱」として欠かせません。

🌊 二段構えで「せせらぎ毛穴」を育てる

  • やさしい圧 … 毛穴を動かして皮脂を流す(流すケア)
  • ビタミンC誘導体 … 酸化を防ぎ、再発を抑える(守るケア)

この二段構えによって、毛穴は「沼」から「せせらぎ」へ変わります。
つまり、ニキビの本質的な原因であるスクワレン酸化を、
構造的に止めることができるのです。

💡 新視点のまとめ

  • ニキビは皮脂の量ではなく「スクワレン酸化」が本質的な原因
  • 従来の洗顔・パック・スクラブは酸化を止められない
  • 必要なのは 毛穴を動かして流れを作る“やさしい圧”
  • さらに ビタミンC誘導体で酸化を抑える
  • この二段構えが「繰り返さない毛穴」を育てる新しい視点

📘まとめ|スクワレン酸化を抑えることがニキビ予防のカギ

ニキビは「皮脂が多いからできる」と思われがちですが、
本質は 皮脂の中でも酸化しやすいスクワレンが変質すること にあります。

  • スクワレンは皮脂成分の中で最も酸化しやすい
  • 酸化スクワレンは角栓を育て、炎症を起こし、アクネ菌を増やす
  • 洗顔や鼻パックだけでは酸化を止められない

だからこそ必要なのは、
酸化する前に毛穴を動かす“やさしい圧”と、酸化そのものを抑えるビタミンC誘導体

この二段構えの習慣こそが、スクワレン酸化を防ぎ、ニキビを繰り返さないための新常識です。

🧪ちふゆのひとことメモ

私は研究員時代、皮脂の中でも「なぜスクワレンだけが突出して酸化するのか」をずっと疑問に思っていました。
調べれば調べるほど、ニキビの原因は「皮脂の量」ではなく「酸化のスピード」にあると理解しました。

そして今なら言えます。
洗顔だけでは不十分。毛穴を“やさしい圧”で動かし、ビタミンC誘導体で酸化を抑える。
この習慣こそが、未来の肌を守る最も合理的な方法だと。

🛁Chocobraの毛穴マッサージケアは、酸化皮脂をためない“毎日の習慣設計”です

夜のバスタイムにやさしい圧で毛穴の流れを整え、
さらに ビタミンC誘導体美容液で酸化を防ぐ

この二段構えが、角栓やニキビを繰り返さない環境をつくります。
Chocobraは、黒ずみ・ニキビの根本にある「スクワレン酸化」をケアする新しい解決策です。

👉 Chocobraについて詳しくはこちら(Amazon商品ページ)

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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。美容成分の研究にも携わり、成分知識に精通。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。