ニキビはこうしてできる|皮脂・角栓・アクネ菌のメカニズム完全解説

皮脂の分泌からアクネ菌の炎症までの流れを順序立てて解説した科学的イラスト

「気づいたら同じ場所に何度もニキビができる…」
「洗顔も保湿もしているのに治らない」

そんな悩みを持つ人は少なくありません。

ニキビは、ただ“皮脂が多いから”できるわけではありません。
その裏では、皮脂分泌 → 毛穴詰まり(角栓) → アクネ菌の増殖という3つのステップが進んでいます。

この仕組みを知らずにケアすると、対策が部分的になってしまい、
結果的にニキビが繰り返しやすくなります。

この記事では、ニキビができる3つの要素とその関係を、
皮脂・角栓・アクネ菌の順番でわかりやすく解説します。
「なぜできるのか?」を理解すれば、正しいケアのヒントが見えてきます。

🔍ニキビができる3つの要素とは?

ニキビは突然できるわけではなく、いくつかの要因が重なって発生します。
その中心となるのが、皮脂の過剰分泌・毛穴の詰まり(角栓形成)・アクネ菌の増殖という3つの要素です。
これらが順番に、そして同時に進行することでニキビは目に見える形になります。

1️⃣ 皮脂の過剰分泌

皮脂は本来、肌の潤いを守るために必要なものです。
しかし、以下のような条件が重なると分泌量が増えます。

  • 思春期や生理前などのホルモンバランスの変化
  • 睡眠不足やストレス
  • 脂質や糖分の多い食事
  • 間違ったスキンケア(洗いすぎ・保湿不足)

皮脂が過剰になると、毛穴の中に余分な油分が溜まりやすくなり、次のステップ「毛穴詰まり」につながります。

2️⃣ 毛穴の詰まり(角栓形成)

毛穴の中では皮脂だけでなく、肌表面の古い角質(死んだ皮膚細胞)も混ざり合っています。
ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れると古い角質がはがれにくくなり、
皮脂と結合して角栓という固まりを作ります。

角栓が毛穴の出口にフタをすると、毛穴内部は空気が届きにくい酸素不足の環境になります。
この環境こそ、アクネ菌が好む条件です。

3️⃣ アクネ菌の増殖と炎症

アクネ菌は、誰の肌にも常在している常在菌の一種です。
普段は問題を起こしませんが、毛穴が塞がれて酸素が少なくなると、爆発的に増殖します。

増えたアクネ菌は皮脂を分解し、その過程で刺激物質(遊離脂肪酸など)を放出。
これが毛穴周囲に炎症を引き起こし、赤く腫れたニキビや膿を伴うニキビへと発展します。

4️⃣ 3つの要素は互いに影響し合う

  • 皮脂が多い → 詰まりやすい → アクネ菌が増える
  • 毛穴が詰まる → 皮脂が外に出られない → さらに皮脂が溜まる
  • 炎症が起きる → 周囲の組織が傷つき、毛穴が広がる

このように、1つの要素が悪化すると他の要素も引きずられて悪化する悪循環が生まれます。

💡まとめ

ニキビを防ぐには、

  • 皮脂をコントロールする
  • 毛穴詰まりを防ぐ
  • アクネ菌の増殖を抑える

この3つのアプローチを同時に行うことが大切です。

🧪皮脂分泌とホルモンの関係

ニキビの第一歩は「皮脂の過剰分泌」から始まります。
この皮脂量を大きく左右しているのが、ホルモンバランスです。
特に思春期や生活リズムの乱れがあるときには、ホルモンの変化によって皮脂腺の活動が活発になり、ニキビの温床となります。

1️⃣ 思春期は皮脂分泌のピーク

中学生〜高校生の時期は、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が急激に増える時期です。
特に男性ホルモン(テストステロンやジヒドロテストステロン:DHT)が皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌量を増やします。

男子はもちろん、女子でも思春期には男性ホルモンの分泌が増えるため、
男女問わず皮脂が多くなりやすい時期です。
これが、思春期ニキビが額や鼻などTゾーンに集中しやすい理由です。

2️⃣ 生理周期による影響(女性の場合)

女性は生理前になるとプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加します。
このホルモンは皮脂分泌を促進する作用があり、生理前にニキビができやすくなります。

さらにプロゲステロンは肌の水分保持力を低下させるため、乾燥から皮脂分泌がさらに促進され、
乾燥+皮脂過剰という毛穴詰まりを招きやすい状態が生まれます。

3️⃣ ストレスとホルモンの関係

テスト前や部活動、対人関係などで強いストレスを感じると、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌されます。
コルチゾールは体を守る役割を持ちますが、同時に皮脂分泌を増やす作用もあります。

また、ストレスが長引くとホルモンバランス全体が乱れ、
女性は生理不順、男性は男性ホルモン優位の状態になりやすく、ニキビのリスクが高まります。

4️⃣ 睡眠不足と成長ホルモン

夜更かしや不規則な睡眠は、肌の修復を担う成長ホルモンの分泌を減らします。
この結果、肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が毛穴に残りやすくなります。
さらに睡眠不足は自律神経の乱れを通してホルモンバランスに悪影響を与え、皮脂過剰を招きます。

5️⃣ 食生活の影響

  • 高GI食品(白米、パン、砂糖を多く含むお菓子)
  • 揚げ物や脂質の多い食事
  • 乳製品の過剰摂取

これらはインスリンやIGF-1(インスリン様成長因子)の分泌を促し、皮脂腺を刺激します。
食事によるホルモン反応も、皮脂分泌に直結しているのです。

💡まとめ

皮脂分泌を抑えるには、

  • ホルモンバランスを整える生活(睡眠・食事・ストレス管理)
  • 思春期特有の皮脂増加を理解して、予防的なケアを行う

この2つを意識することが大切です。

🌀角栓形成と毛穴詰まりの仕組み

皮脂の分泌が多くなると、それだけでニキビができると思われがちですが、実は皮脂単体ではニキビはできません
皮脂が毛穴の中で“角栓”という固まりになり、毛穴をふさぐことでニキビが発生しやすくなります。
ここでは、角栓ができるプロセスと毛穴詰まりの仕組みを解説します。

1️⃣ 角栓の正体

角栓は、皮脂+古い角質(角化した肌細胞)+微細な汚れが混ざり合ってできた固まりです。
割合としては、角質(タンパク質)が約70%、皮脂(脂質)が約30%。
つまり、角栓は油だけでなく“たんぱく質の塊”でもあります。

2️⃣ 角質がたまる理由

通常、肌は約28日周期でターンオーバー(新陳代謝)します。
しかし、以下の要因で古い角質がうまくはがれず、毛穴の周りに残ります。

  • 睡眠不足や栄養不足でターンオーバーが乱れる
  • 紫外線や摩擦によるダメージ
  • 乾燥によるバリア機能低下

残った角質は皮脂と混ざりやすく、角栓形成の材料になります。

3️⃣ 毛穴の出口で起こること

皮脂腺から分泌された皮脂は、毛穴を通って肌表面に広がるはずです。
しかし、毛穴の出口に古い角質がたまると“フタ”ができ、皮脂が外に出られなくなります。

毛穴の奥では、皮脂と角質が層状に積み重なり、次第に硬くて動かない角栓へと成長します。

4️⃣ 酸化と固化

毛穴の入り口付近に露出した角栓は、空気や紫外線の影響で酸化します。
特に皮脂成分のスクワレンは酸化しやすく、酸化すると粘着性と硬さが増し、角質と強固に結びつきます。

この状態になると、通常の洗顔ではほとんど落とせません。
むしろ無理に取ろうとすると、毛穴の周囲を傷つけて炎症や色素沈着の原因になります。

5️⃣ 毛穴詰まりが招く悪循環

  • 毛穴が詰まる → 皮脂が毛穴の奥にたまる
  • 毛穴の中が酸素不足になる → アクネ菌が増殖しやすくなる
  • 炎症が起きる → 赤ニキビや膿ニキビに発展

このように、角栓はニキビの“スタート地点”として非常に重要な存在です。

💡まとめ

角栓を防ぐには、

  • 古い角質をためない(ターンオーバー正常化)
  • 皮脂の酸化を防ぐ(抗酸化ケア・紫外線対策)
  • 毛穴の出口を柔らかく保つ(保湿)

この3つを意識することが、毛穴詰まりの予防につながります。

🦠アクネ菌の増殖と炎症の発生メカニズム

ニキビの最終ステップは、毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症が起きることです。
この過程を理解すると、「なぜ同じ場所に何度もニキビができるのか」や「なぜ赤く腫れるのか」が明確になります。

1️⃣ アクネ菌とは?

アクネ菌(Cutibacterium acnes)は、肌に常在している善玉菌の一種です。
普段は皮脂を分解して肌のpHを弱酸性に保つなど、むしろ肌を守る役割を果たしています。

しかし、毛穴が詰まって酸素が届きにくくなると、嫌気性(酸素を嫌う)のアクネ菌が急速に増殖します。

2️⃣ 毛穴詰まりが引き金になる

角栓で毛穴の出口がふさがれると、中は皮脂で満たされた“密室”状態になります。
酸素が不足し、皮脂という栄養が豊富な環境は、アクネ菌にとって最高の繁殖条件です。

このタイミングで、アクネ菌の数が通常の何倍にも増え始めます。

3️⃣ アクネ菌が炎症を起こす理由

アクネ菌は皮脂を分解して遊離脂肪酸を作ります。
この物質は毛穴周囲の皮膚に刺激を与え、免疫反応を引き起こします。

さらに、アクネ菌は炎症性サイトカインという物質を誘発し、免疫細胞(白血球)が毛穴に集まります。
このとき、免疫細胞がアクネ菌と戦う過程で発生する活性酸素が、周囲の組織にもダメージを与えます。

4️⃣ 炎症ニキビの段階

  • 白ニキビ(微小面ぽう):皮脂と角栓で毛穴がふさがった初期状態(炎症なし)
  • 黒ニキビ(開放面ぽう):角栓が酸化して黒く見える状態(炎症なし)
  • 赤ニキビ(丘疹):アクネ菌の増殖で炎症が始まり、赤く腫れた状態
  • 黄ニキビ(膿疱):炎症が強まり、白や黄色の膿がたまった状態

赤ニキビや黄ニキビまで進行すると、毛穴の壁や真皮層に損傷が残り、ニキビ跡やクレーターの原因になることもあります。

5️⃣ 炎症を長引かせる要因

  • 無意識に触ったり潰したりする
  • 化粧や汗を長時間落とさない
  • 睡眠不足やストレスで免疫力が下がる
  • 紫外線による炎症の悪化

炎症を繰り返すと、色素沈着や毛穴の開きが慢性化します。

💡まとめ

ニキビの炎症は、

  1. 毛穴詰まり → 2. アクネ菌増殖 → 3. 炎症物質の発生
    という順で進行します。

予防のためには、アクネ菌をゼロにするのではなく、増えすぎない環境をつくることが大切です。

📘まとめ|原因を断つケアでニキビを予防

ニキビは、

  1. 皮脂の過剰分泌
  2. 毛穴詰まり(角栓形成)
  3. アクネ菌の増殖と炎症
    という3つの要素が順番に、そして連動して進むことで発生します。

🔑予防のための3つのアプローチ

  1. 皮脂コントロール
    • 洗顔は朝晩2回、やさしく泡で
    • 油分の多すぎないスキンケアを選ぶ
    • 食事・睡眠・ストレス管理でホルモンバランスを整える
  2. 毛穴詰まり防止
    • 古い角質をためない(保湿・適度な角質ケア)
    • 紫外線や摩擦を減らす
    • 毛穴の出口を柔らかく保つための保湿習慣
  3. アクネ菌の増殖抑制
    • 毛穴を清潔に保ち、酸素不足の状態を防ぐ
    • 抗炎症成分(ナイアシンアミド、アラントインなど)を取り入れる
    • 紫外線対策で炎症の悪化を防ぐ

ニキビケアのゴールは「できたものを治す」だけでなく、できにくい肌環境をつくることです。
そのためには、この3つの要素を同時に意識した総合的なアプローチが必要です。

🧪ちふゆのひとことメモ

ニキビは一度治っても、原因が残っていればすぐに戻ってきます。
“なぜできるのか”を理解して、その原因を日常から断つことが、最も効果的な予防策です。

🛁Chocobraの毛穴マッサージケアは、皮脂の滞留を防ぎアクネ菌の増殖条件を減らす“毎日の習慣設計”です

夜のバスタイムに毛穴をやさしく動かし、皮脂が固まる前に流します。
さらにビタミンC誘導体美容液で酸化を抑え、ニキビと毛穴トラブルの両方を予防します。

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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。