セラミドとスクワランの違いとは?皮脂膜と角層バリアの役割を比較

セラミドとスクワランの違いに興味を持つ女性と、擬人化された2つの成分が登場。皮脂膜と角層バリアの役割の違いを表現したビジュアル。

「セラミドは肌のバリアを整えるって聞いた」
「スクワランは皮脂に近いから、保湿力が高いって書いてあった」
──そんなふうに、どちらを使うべきか迷ったことはありませんか?

どちらも“保湿成分”と呼ばれますが、
実はセラミドとスクワランは肌の中で働く場所も役割もまったく違う成分です。

セラミドは角層の“内側”で水分を守る「壁」。
スクワランは肌表面に近い“外側”で、水分の蒸発を防ぐ「フタ」。

つまりこの2つは、どちらが優れているかではなく、どう使い分けるかがカギなのです。

この記事では、セラミドとスクワランの構造や作用の違いを比較しながら、
肌悩みやシーンに応じた使い方をわかりやすく解説していきます。

🧬セラミドとスクワランは“どこ”で働く成分なのか?

🧱セラミド=角層バリアの「内側構造」

セラミドは、肌のもっとも外側にある角層のなかで、
細胞同士のすき間を埋める“細胞間脂質”の主成分です。

角層は、角質細胞とそれを支える脂質から成り立つ“壁”のような構造。
この脂質の多くを占めているのがセラミドであり、
水と油が交互に並ぶ「ラメラ構造」という層を形成しています。

この構造は、
・水分を挟み込んで逃さない
・外部刺激の侵入を防ぐ
・肌のなかの成分が過剰に流出するのを防ぐ

といった、肌の“守る力”を構造的に支える機能を果たします。

つまりセラミドは、
肌の「内側」にあって“失わないための設計”をつくる成分なのです。


🧴スクワラン=皮脂膜の「表面カバー」

一方、スクワランはセラミドとはまったく異なる働きをします。

スクワランは、もともとヒトの皮脂に含まれる「スクワレン」という成分に水素を加え、
酸化しにくく安定性を高めた“油分”です。

肌の表面には、汗と皮脂が混ざってできた「皮脂膜」があり、
この膜が肌の水分蒸発を防ぎながら、外気や乾燥から守るバリアとして機能しています。

スクワランはこの皮脂膜の“代用”として働き、
・水分の蒸発を防ぐ
・表面の摩擦をやわらげる
・しっとりしたなめらかさを保つ

といった**“外側から守る”役割**を担います。

とくに乾燥や洗顔後など、皮脂が一時的に不足しているときに
スクワランを補うことで、肌の表面環境が安定しやすくなります。


💡“壁の中”と“フタの上”という、まったく違うポジション

セラミドとスクワランは、どちらも「保湿にいい」と言われることがありますが、
その理由は「肌にとって必要な油分である」ことにあります。

ただし──

成分働く場所主な役割特徴
セラミド角層の内側水分保持・バリア機能の構築肌の“壁”を内側から支える
スクワラン肌表面・皮脂膜蒸発防止・摩擦軽減肌の“表面”を外側から守る

このように、構造的にまったく別の役割を担っているため、
どちらが優れているかではなく、「肌のどこを、どう守りたいか」で使い分けることが大切です。

🧪どう違う?セラミドとスクワランの働きと得意分野

🧬セラミドは“水分を挟み込んで守る”

セラミドの保湿メカニズムは、他の成分とは大きく異なります。
水分をただ「つかむ」のではなく、
**細胞と細胞のあいだで“挟み込んで保持する”**という構造的な保湿を行います。

この「挟み込む力」は、
・水分の蒸発を防ぐ
・外部刺激をブロックする
・バリアを再構築する
といった肌そのものの構造を支える力へとつながります。

また、セラミドは「肌がもともと持っている脂質」であるため、
外から補ってもなじみやすく、角層にとどまりやすいのも特徴です。

その結果、
・乾燥が慢性化している肌
・敏感でバリアが壊れやすい肌
・インナードライでうるおいが保持できない肌
といった悩みに対して、“構造から守る”アプローチが可能になります。


💧スクワランは“水分の蒸発を防ぐ”

スクワランは、皮脂に近い“油分”として、肌の表面で水分のフタをする役割を果たします。

洗顔やクレンジングの直後は、一時的に皮脂膜が薄くなっている状態。
そのまま放っておくと、水分はどんどん蒸発していきます。

ここでスクワランを使うと──

・肌の表面にうすい油膜を張り、水分の蒸発を抑える
・摩擦や刺激から肌表面を守る
・手触りがなめらかになり、メイクのノリが良くなる

といった**“表面快適性”を高める働き**が得られます。

特に、皮脂量が少なくなりがちな
・乾燥肌
・年齢肌
・季節の変わり目での肌の揺らぎ
には、スクワランが頼れる保護役となります。


🔍「守り方」がまったく違う2つの成分

セラミドとスクワランは、どちらも「水分を逃がさない」という役割を持っていますが、
その守り方・アプローチ方法はまったく異なります。

比較項目セラミドスクワラン
働く場所角層の内側肌の表面
保湿メカニズム水を挟み込む水分の蒸発を防ぐ
主な機能バリア機能の回復・再構築外的刺激ブロック・水分フタ
期待できる効果乾燥・敏感・インナードライ対策摩擦軽減・つっぱり緩和・肌なめらかさ
持続性構造にとどまるため持続しやすい蒸発・洗顔で落ちやすい

このように、セラミド=内側で構造を支える/スクワラン=外側で守るという関係になります。

「どちらが保湿力があるか?」ではなく、
「どの位置で、どう守る必要があるか?」を見極めて使うことが大切です。

🧴肌悩み別の使い分けと、組み合わせ方の正解は?

🌿敏感肌・ゆらぎ肌はセラミドを優先すべき理由

「赤みが出やすい」
「何を塗ってもヒリヒリする」
「季節の変わり目になると肌がゆらぐ」
──そんな肌状態のとき、真っ先に整えるべきはバリア機能です。

敏感肌の根本的な問題は、角層の構造が崩れていること。
セラミドが不足して細胞間脂質のすき間が広がると、
水分が蒸発し、外部刺激が侵入しやすくなります。

ここでスクワランのような「フタ成分」だけを使ってしまうと、
内側の崩れた構造は放置されたまま。
表面だけなめらかにしても、刺激には弱いままなのです。

だからこそ、敏感肌のファーストステップはセラミドの補給
角層のすき間を埋め、構造そのものを立て直すことで、
「刺激に反応しにくい肌」がゆっくり育っていきます。


💡乾燥・粉吹き・摩擦対策にはスクワランも有効

「スキンケアしたのに、数時間後には乾く」
「マスクの摩擦で頬がガサガサになる」
「とにかく肌がつっぱる、粉を吹く」
──そんなときは、肌表面を“守る”ケアが必要です。

セラミドだけでは、角層内の水分保持はできても、
外部環境からの刺激を“直接防ぐ力”は足りません。

ここで活躍するのが、スクワラン

・皮脂に近いからなじみやすい
・軽く伸びて摩擦を減らす
・洗顔直後の乾燥を即座にカバーする

スクワランは、いわば“肌の外壁にラップを貼るような役割”。
粉吹きやつっぱりなど、表面の乾燥サインには即効で応えてくれます。

特に冬場や花粉シーズンなど、外的刺激が強い時期には
セラミドで「中を整え」、スクワランで「外を守る」という設計が理想的です。


🧪“どっちがいい”より、“どっちを先に”が大切

スキンケアでありがちなのが、
「とりあえずオイルでフタをすればOK」という発想。
でも、バリアが壊れていたら、フタをしても意味がないどころか、
“中がスカスカのまま密閉”してしまうことになります。

だから順番としては──

  1. セラミドで「構造を整える」
  2. スクワランで「蒸発を防ぐ」

という流れが基本。

これは、**「壁を立ててから屋根をのせる」**ようなもの。
土台が崩れていては、上に何をのせても長持ちしません。

セラミドが整った肌なら、スクワランの油膜も定着しやすく、
“うるおいが逃げにくい状態”をつくることができます。


⚖️使い分けのヒント|肌タイプと悩みに合わせた設計例

肌タイプ/悩み優先すべき成分理由
敏感肌・ゆらぎ肌セラミドバリアを整えないと何を塗っても刺激になる
インナードライ・乾燥肌セラミド+スクワラン内側を整えてから表面を守る設計が理想
粉吹き・つっぱり肌スクワラン表面保護が急務。ただし中が整っていることが前提
年齢肌・ハリ不足セラミド肌密度の再構築が重要。スクワランは補助的に

🛁Chocobra的ケア戦略──削らず守るために必要なのはどっち?

🧬「毛穴構造を守る」ために必要なのは“中を整える力”

毛穴の詰まりや黒ずみは、皮脂や角質の“過剰”が原因──
そう言われがちですが、Chocobraではそれを**「流れが止まる構造の乱れ」**と捉えています。

・乾燥で皮脂の分泌が乱れる
・バリアが壊れてターンオーバーが乱れる
・セラミド不足で水分が逃げ、皮脂が過剰に出る

つまり、詰まりの根本原因は“流れを止めるバリアの不在”。
ここでいくら皮脂をフタするようにスクワランを塗っても、
中の構造がスカスカでは流れは戻りません。

だからこそ、Chocobraの守るケア戦略では、
まずセラミドによって角層バリアを“内側から整える”ことを優先しています。


🧱スクワランは「外的刺激から肌表面を守る補助役」

一方で、スクワランにはスクワランの強みもあります。
それは、肌の表面をやさしく包み込み、
・乾燥によるつっぱり
・マスクや衣類の摩擦
・洗顔直後の急激な水分蒸発
といった“日常的なダメージ”から肌を守る即効性のある表面ケアです。

Chocobraでは、スクワランを
**「削らないケアのための緩衝材」**として位置づけています。

ブラシで毛穴まわりを動かしたあと、
肌の水分蒸発や摩擦リスクが高くなるタイミングで、
スクワランをうすく重ねることで、肌が落ち着きやすくなる。

これはセラミドのように構造を変える力ではありませんが、
構造を壊さない“周囲の設計”として非常に有効です。


💡Chocobra式「守るケア設計」3ステップ

Chocobraの毛穴ケアは、「詰まりを取る」のではなく、
“詰まらない構造”を育てることに重点を置いています。

そのための「守るケア」は、以下の3ステップで設計されています。

① セラミドで「水分を逃さない角層構造」をつくる

まずは肌の土台。水分を抱える力を持った角層に整える。

② 毛穴ブラシ+ジェルで「動かして流す」ケア

毎日のバスタイムで、角栓になる前の皮脂や角質をやさしく動かす。

③ スクワランで「蒸発と摩擦から守る」表面保護

刺激を最小限にとどめ、流れたあとの肌をやさしく支える。

この3層で支えることで、
“削る”でも“封じ込める”でもない、**「崩れない肌の流れ」**が完成します。


⚖️セラミド=構造、スクワラン=環境整備

最後にもう一度まとめるなら、
セラミドとスクワランは、目的がまったく違います。

項目セラミドスクワラン
働く場所角層の内部(細胞間脂質)肌の表面(皮脂膜の代用)
主な役割水分を挟んで逃がさない、構造を整える蒸発や摩擦から守る、外的刺激を遮断する
Chocobraでの役割毛穴ケアの“基礎構造”動かしたあとの“外壁カバー”

どちらも大切ですが、「どちらが先か」と問われれば、セラミドが優先されるべきです。

「フタをする前に、壁を立てる」
それが、Chocobraが考える“守るケア”の基本設計です。

🧭まとめ|“保湿成分”ではなく“構造を守る設計”として選ぶ

セラミドとスクワランは、どちらも保湿を支える重要な成分ですが、
働く場所も、守るしくみもまったく異なります。

セラミドは角層のすき間を埋める「構造材」。
水分を挟み込み、肌の内側からうるおいを守る“壁”の役割を果たします。

スクワランは肌の表面を覆う「皮脂膜の代用」。
水分の蒸発を防ぎ、外部刺激から肌を守る“フタ”のような存在です。

どちらが優れているかではなく、
**「今の肌にどちらの守り方が必要か」**で選ぶことが大切。

そして毛穴や角栓の悩みがあるなら、まず整えるべきは“内側の構造”。
つまり、セラミドを軸にしたケア設計こそが、本質的な肌の立て直しになります。


🧪ちふゆのひとことメモ|“フタ”をする前に、“壁”を立てる

昔は乾燥を感じると、すぐオイルやバームを重ねていました。
でも、どれだけフタをしても中が潤っていない感じがして…。

あるときセラミドを使いはじめたら、
「なんか肌が逃げていかない」という感覚になったんです。

それからは、「外から覆う」より「中を整える」ことを意識するようになりました。
“保湿成分”を選ぶんじゃなくて、“守れる構造”を育てる成分を選ぶ
それが肌にとって一番の安心なんだと思います。


🛁Chocobraは「削らず整える」ケア。だから“守る土台”が大切

Chocobraは、毛穴が詰まる前に皮脂と角質をやさしく動かして流すケア。
でも、そのあと水分が逃げてしまっては、また詰まりが繰り返されます。

その“出口”を守るのが、セラミド。
流したあとの肌に必要なのは、
・水分が逃げない角層構造
・摩擦や乾燥に負けないバリア
それを支えるために、スクワランは補助的に使う。
これがChocobraの“守るケア設計”の基本です。

削らず、壊さず、逃がさず。
毛穴のケアは、構造を守ることからはじまります。

👉 Chocobraについて詳しくはこちら(Amazon商品ページ)

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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。