ビタミンCで乾燥が進む人と進まない人の違い──ベース処方と保湿の組み合わせ

ビタミンC使用時に乾燥が進む人と進まない人の違いを比較したイラスト。左はビタミンCとエタノール中心の処方で乾燥を感じる女性とビタミンCの擬人化キャラクター、右はナイアシンアミドやセラミド・ヒアルロン酸などの保湿成分を組み合わせてうるおいを保つ女性が描かれ、ベース処方と保湿の組み合わせの重要性を示している。
この記事を書いた人|佐藤ちふゆ(Chocobra開発チーム)
毛穴ケア開発スペシャリスト
肌の“なぜ?”を構造から読み解く研究者。
毛穴・黒ずみから成分・ニキビ・エイジングまで、幅広い悩みを科学的にやさしく解説します。
毎日のケアが迷わず続けられるよう、“仕組みの見える美容”をお届けします。

💭「ビタミンC美容液を使うと、なぜか肌がつっぱる…」
💭「評判はいいのに、自分だけ乾燥が進む気がするのはなぜ?」

──そんな違和感、感じたことはありませんか?

実は、ビタミンCで乾燥するかどうかは
肌質のせいではないことがほとんどです。
同じビタミンCを使っていても、乾燥が進む人とまったく感じない人がいるのは、
「成分そのもの」ではなく ベース処方と保湿の組み合わせ に違いがあるからです。

ビタミンCは、使い方や順番を間違えると
うるおいを閉じる前に水分を逃がしてしまい、
結果として“乾燥しているように感じる状態”を作ってしまいます。
一方で、処方と保湿が合っている人は、
同じビタミンCでもしっとり感を保ったまま使えています。

この記事では、

  • なぜビタミンCで乾燥を感じる人が出るのか
  • 乾燥しやすい処方に共通する特徴
  • 乾燥しにくい人が自然にやっている保湿の組み合わせ
  • ビタミンCを“乾かさずに使う”ための考え方

を、実践ベースでわかりやすく整理します。

「ビタミンC=乾燥する成分」という思い込みが、
ここで変わるはずです。

🌀 なぜビタミンCで「乾燥する人」と「しない人」が分かれるのか?

🧴 ビタミンCそのものが乾燥の原因ではない

まず大前提として、ビタミンCは本来「肌を乾かす成分」ではありません。
むしろ、肌を整えたり、キメをなめらかに見せたりする方向に働く成分です。

それでも乾燥を感じる人がいるのは、
ビタミンCそのものではなく、どういう形で肌に届けられているか に違いがあるからです。

同じ「ビタミンC配合」と書かれていても、
中身の設計は商品ごとにまったく異なります。

🧪 分かれ道は「ベース処方」にある

乾燥するかどうかを大きく左右するのが、
ビタミンCを支えているベース処方です。

乾燥を感じやすいのは、次のような設計の場合です。

  • アルコール量が多い
  • 水の割合が高く、油分がほとんど入っていない
  • 揮発しやすい成分が多い

こうした処方は、
塗った直後はさっぱりしますが、
時間がたつと水分だけが先に蒸発し、
肌に「何も残らない状態」を作りやすくなります。

一方、乾燥しにくい人は、
ビタミンCの周りに水分を支える土台がある処方を使っています。

💧 「水分を与える」と「水分を保つ」は別物

ビタミンC美容液でよく起きる誤解が、
「化粧水っぽい=うるおう」という感覚です。

実際には、

  • 水分を与える
  • 水分を肌に留める

この2つはまったく別の工程です。

水分だけが多い処方だと、
塗った瞬間はしっとりしても、
保つ成分が少ないため、すぐに蒸発してしまいます。

その結果、
「ビタミンCを使ったら乾いた」という体感につながります。

🧼 乾燥しない人は“あとに何を重ねるか”が違う

同じビタミンCを使っていても、
乾燥しない人はその後の保湿の入れ方が違います。

よくある違いは次の通りです。

  • すぐに乳液やクリームでフタをしている
  • セラミドなどの保湿成分を組み合わせている
  • 量を控えめに、ムラなくなじませている

逆に乾燥を感じる人ほど、

  • ビタミンCだけで終わらせている
  • さっぱり感を優先して保湿を省いている

というケースが多く見られます。

💡 「乾燥する・しない」は肌質より“設計と使い方”

ここまでを整理すると、
ビタミンCで乾燥するかどうかは、

  • 肌質の問題ではない
  • ビタミンCの良し悪しでもない
  • ベース処方と保湿の組み合わせの違い

によって決まっています。

同じ人でも、

  • 処方が変わる
  • 使い方が変わる

だけで、
「乾燥する側」から「しない側」に簡単に移動できます。

つまり、
ビタミンCは“乾燥する成分”ではなく、
乾燥させてしまう使い方が存在する成分なのです。

🧪 乾燥を感じやすいビタミンC処方の特徴

🍃 アルコールが多く、塗ったあとに“軽さ”だけが残る

ビタミンC美容液の中には、使用感を軽くするためにアルコールを多く使っている処方があります。
塗った直後はさっぱりして気持ちよく感じますが、
時間がたつと水分だけが先に飛び、肌に残るものがほとんどなくなります。

このタイプは、

  • つけた瞬間は快適
  • しばらくするとつっぱる
  • 夕方に乾燥を感じやすい

という体感になりやすく、
「ビタミンC=乾燥する」という印象を持ちやすい原因になります。

💧 水が多く、保湿を支える成分が少ない

水分量が多い処方は、一見うるおいそうに見えます。
しかし、水を支える成分が少ないと、
肌の上で水分がとどまらず、すぐに蒸発してしまいます。

この場合、

  • 塗った直後だけしっとり
  • 数分後にサラサラを通り越して乾く
  • 上から何も重ねないと不安になる

といった感覚になりやすく、
水分補給と保湿が分離した状態になってしまいます。

🧴 油分が極端に少なく、フタが足りない

乾燥を感じやすい処方の多くは、
油分がほとんど入っていないか、かなり控えめです。

油分が少ないと、

  • 水分が逃げやすい
  • 肌表面が無防備になる
  • 外気の影響を受けやすい

という状態になります。

特にビタミンCは水に近い性質のものが多いため、
フタになる要素がないと乾燥を強く感じやすい のです。

😮‍💨 角層がゆるんでいると、刺激が乾燥感に変わりやすい

肌が疲れていたり、乾燥が進んでいるときは、
少しの刺激でも「乾燥した」と感じやすくなります。

この状態で、

  • 刺激感のあるビタミンC
  • さっぱり設計の処方

を使うと、
実際の水分量以上に“乾いた感覚”が強調されてしまいます。

乾燥を感じる原因が、
処方だけでなく 使うタイミング にあることも少なくありません。

💡 「さっぱり=乾燥しない」ではない

乾燥を感じやすい処方に共通しているのは、
「軽さ」や「さっぱり感」を重視しすぎている点です。

さっぱりしている=乾燥しない
というわけではなく、

  • 水分を支える成分
  • フタになる要素
  • 使ったあとの保湿設計

が足りないと、
結果として乾燥が進んだように感じてしまいます。

ビタミンCで乾燥を感じる人の多くは、
成分そのものではなく、
この“軽さ重視の処方”に反応している のです。

🧼 乾燥しにくい人が自然にやっている“保湿の組み合わせ”

💧 ビタミンCのあとに“すぐ保湿”を入れている

乾燥しにくい人に共通しているのは、
ビタミンCを塗ったあと、間を空けずに保湿を重ねている ことです。

ビタミンCは肌を引き締める方向に働くため、
そのまま放置すると水分が逃げやすくなります。
乾燥しない人は、ビタミンCをなじませたら、

  • すぐに乳液
  • もしくは軽めのクリーム

を重ね、水分を逃がさない流れを自然に作っています。

🧴 セラミドなど“土台を支える保湿成分”を組み合わせている

乾燥しにくい人は、
ヒアルロン酸だけでなく セラミド系の保湿 を重視しています。

理由は、セラミドが

  • 水分を抱え込む
  • 肌のすき間を埋める
  • うるおいを長時間保つ

といった役割を持つからです。

ビタミンCのあとにセラミドを重ねることで、
「入れた水分がそのまま残る状態」を作りやすくなります。

🫧 量を控えめに、ムラなくなじませている

乾燥しにくい人ほど、
ビタミンCを少量ずつ、ムラなく使っています。

一度にたくさん塗ると、

  • 表面だけが乾きやすい
  • なじむ前に蒸発しやすい
  • 乾燥感を強く感じやすい

という状態になりがちです。

少量を丁寧に広げ、
肌になじんだのを確認してから次の保湿に進む。
この使い方だけでも、乾燥の体感は大きく変わります。

🌙 夜は“軽さ”より“回復しやすさ”を優先している

乾燥しにくい人は、
夜のビタミンC使用時に「さっぱり感」を求めません。

むしろ、

  • 夜はしっかり保湿する
  • 朝は軽めに調整する

という使い分けをしています。

夜は肌が回復モードに入る時間帯。
ビタミンCのあとに、
しっかりした乳液やクリームで包み込むことで、
翌朝の乾燥感を感じにくくしています。

💡 「ビタミンC+保湿」はセットだと理解している

乾燥しにくい人は、
ビタミンCを「単体で使うもの」だと思っていません。

  • ビタミンCは整える役
  • 保湿は守る役

この2つを 必ずセットで考える ことで、
乾燥を感じずに使い続けることができています。

つまり、乾燥しない人が特別な肌質なのではなく、
組み合わせ方を自然に正解へ寄せている だけなのです。

🌙 ビタミンCで乾燥させないための夜ケアの考え方

🛁 夜は“回復しやすい状態”をつくる時間と考える

夜のスキンケアは、朝のメイク前とは目的が違います。
朝は「軽さ」や「ヨレにくさ」を優先しがちですが、
夜は 肌を回復させるための時間 です。

ビタミンCを夜に使う場合は、

  • しっとり感が残っても問題ない
  • 多少重くてもOK
  • 翌朝のうるおいを優先する

という考え方に切り替えるだけで、乾燥の体感が大きく変わります。

夜にさっぱりさせすぎると、
回復途中の肌から水分が逃げやすくなってしまいます。

🌡 バスタイム後は“なじみやすさ”が高まっている

お風呂上がりは、肌が温まり、
スキンケアがなじみやすい状態になっています。

このタイミングでビタミンCを使うと、

  • 均一に広がりやすい
  • ムラになりにくい
  • 乾燥感が出にくい

というメリットがあります。

逆に、冷えた肌や乾いた状態で使うと、
なじむ前に水分が逃げやすく、
「つっぱる」「乾いた気がする」と感じやすくなります。

🧴 ビタミンCのあとは“必ずフタをする”

夜ケアで最も重要なのが、
ビタミンCのあとに何を重ねるか です。

乾燥させない人は、ほぼ例外なく

  • 乳液
  • クリーム

のどちらか、もしくは両方を重ねています。

ポイントは、

  • すぐに重ねる
  • 量をケチらない
  • 顔全体を包むように広げる

こと。

ビタミンCは「整える役」。
そのあとに保湿で包むことで、
夜の間に水分が安定しやすくなります。

🫧 “乾燥しやすい日は使わない”という選択も正解

肌が疲れている日や、
すでに乾燥を感じている日は、
無理にビタミンCを使わない判断も大切です。

たとえば、

  • 花粉や紫外線で肌が荒れている
  • 洗顔後すでにつっぱる
  • かゆみや赤みがある

こうした日は、
保湿を優先したほうが回復が早いこともあります。

乾燥しない人は、
毎日使うことより、肌の状態を見て使い分ける ことができています。

💡 夜ケアは“翌朝の肌で答え合わせ”をする

夜のビタミンCケアが合っているかどうかは、
翌朝の肌で判断するのが一番わかりやすい方法です。

目安は次の通りです。

  • 朝つっぱらない
  • 洗顔前でもカサつかない
  • メイク前に慌てて保湿を足さなくていい

これらが当てはまるなら、
夜の組み合わせはうまくいっています。

逆に朝から乾燥を感じる場合は、

  • 保湿が足りない
  • フタが弱い
  • ビタミンCの量が多すぎる

可能性が高いと考え、
組み合わせを微調整してみてください。

夜ケアは「攻める時間」ではなく、
翌朝までうるおいをつなぐための時間
この視点を持つだけで、
ビタミンCによる乾燥は大きく防げます。

📘 まとめ|ビタミンCは「成分」より「組み合わせ」で乾燥の差が出る

ビタミンCで乾燥を感じるかどうかは、
肌質や相性の問題ではなく、ベース処方と保湿の組み合わせでほぼ決まります。

今回のポイントを整理すると、

  • ビタミンCそのものが乾燥の原因ではない
  • アルコール多め・水分だけの処方は乾燥を感じやすい
  • 水分を与えるだけではなく「とどめる保湿」が必要
  • ビタミンCのあとにすぐ乳液やクリームを重ねることが重要
  • 夜は軽さよりも回復しやすさを優先したケアが向いている

乾燥する人としない人の差は、
「ビタミンCが合うかどうか」ではなく、
どう支えて、どう包んでいるかの違いです。

ビタミンCは、
正しい組み合わせで使えば、乾燥させる成分ではありません。

🧪ちふゆのひとことメモ

私自身も、昔は「ビタミンC=乾燥しやすい成分」だと思っていました。
でも実際は、乾燥していた原因はビタミンCではなく、
そのあとに何も重ねていなかったことでした。

ビタミンCは整える役、
保湿は守る役。
この役割分担を意識するようになってから、
乾燥の悩みはほとんど出なくなりました。

成分に振り回されるより、
組み合わせを見直すほうが、肌はずっと安定します。

🛁Chocobraの毛穴マッサージケアは、ビタミンCを“乾かさずに活かす設計”です

夜のバスタイムに専用のシリコンブラシでやさしい圧をかけ、
毛穴の中の流れを整えたあと、
ビタミンC誘導体美容液で酸化を防ぎ、
乳液・クリームでしっかり包み込む。

この流れによって、
ビタミンCのメリットを活かしながら、
乾燥しにくい肌状態をキープできます。

角栓は洗顔じゃ落ちないの説明画像
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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。美容成分の研究にも携わり、成分知識に精通。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。