ナイアシンアミド配合コスメがしみるときに見直したい3つのポイント【pH・濃度・ベース】

「ナイアシンアミド配合コスメがしみるときに見直したい3つのポイント」というタイトルの横で、頬にしみる痛みを感じて顔をしかめる女性のイラスト。下部には“pH”“濃度”“ベース”を示す3つのアイコンが並び、刺激の原因になりやすい要素を視覚的に説明している。
この記事を書いた人|佐藤ちふゆ(Chocobra開発チーム)
毛穴ケア開発スペシャリスト
肌の“なぜ?”を構造から読み解く研究者。
毛穴・黒ずみから成分・ニキビ・エイジングまで、幅広い悩みを科学的にやさしく解説します。
毎日のケアが迷わず続けられるよう、“仕組みの見える美容”をお届けします。

💭「ナイアシンアミドは刺激が少ないって聞いたのに、なぜか私だけしみる…」
💭「ピリッとするのは肌が弱いから?それともコスメの選び方が悪いの?」

──そんな疑問を持ったことはありませんか?

実は、ナイアシンアミド配合コスメで“しみる”“チクッとする”と感じるのは、
成分そのものが悪いわけではなく、
pH・濃度・ベース処方の3つが肌と合っていない ことがほとんどです。

ナイアシンアミドは非常に安定性の高い成分ですが、
肌が乾燥していたり、バリアが弱っていたり、
ほかの成分との相性が悪いと反応しやすくなることがあります。

この記事では、

  • なぜナイアシンアミドがしみることがあるのか
  • pH・濃度・ベースの3つがどんな影響を与えるのか
  • 敏感なときに避けたい組み合わせ
  • 今日からできる“しみにくい使い方”のポイント

をわかりやすく整理して解説します。

ナイアシンアミドは、条件さえ合えば非常に使いやすい成分。
“しみた経験がある=相性が悪い”とは限りません。

🌀 ナイアシンアミドが“しみる”のは珍しくない?

🤔 「刺激が少ない成分なのにしみる」には理由がある

ナイアシンアミドは刺激性が低い成分として広く知られています。
そのため、「しみた=肌が弱いのかも?」と思いがちですが、
実は しみる人は珍しくありません。

特に、

  • 季節の変わり目
  • 花粉・乾燥の時期
  • 生理前で肌が敏感なとき
  • スキンケアを変えた直後

こうしたタイミングでは、普段しみない成分でもピリつきやすくなります。

つまりナイアシンアミドが悪いのではなく、
その日の肌状態が受け入れにくいだけ のケースが多いのです。

💧 “しみる=刺激”ではなく“浸透スピード”の問題

ナイアシンアミドがしみるとき、
多くは“刺激”ではなく 入り方が早すぎる のが原因です。

肌が乾燥していたり、バリアが弱っている状態だと、

  • 成分が一気に入りすぎる
  • 肌の内部が驚いてピリつく
  • 「しみる」と感じる

という流れが起こります。

これは、
固くなった乾燥肌に化粧水が入り込む瞬間に少し痛むのと同じ現象。
攻撃ではなく、入り方の問題 なのです。

🧼 “しみやすい肌”になっているタイミングがある

次のような状態では、どんな成分でもしみやすくなります。

  • 乾燥で角層が薄くなっている
  • 洗いすぎで肌が疲れている
  • スクラブ・ピーリング直後
  • 紫外線でダメージを受けた後
  • 花粉や摩擦で敏感になっている

ナイアシンアミドは比較的優しい成分ですが、
肌が弱っていると 普段以上に入りやすくなる ため、しみる原因になります。

😮‍💨 “しみ=相性が悪い”とは限らない

ナイアシンアミドがしみた経験がある人の多くが、
「私には合わない」と思って使用をやめてしまいます。

しかし、実際は、

  • ベースが合わないだけ
  • 濃度が高すぎただけ
  • 肌が弱っていただけ
  • その日のpHバランスと合わなかっただけ

というケースが非常に多く、
相性が悪いと決めてしまうのは早すぎる判断 です。

条件を調整すれば問題なく使える人は多くいます。

💡 ナイアシンアミドは“条件でしみる”成分だった

ナイアシンアミドは刺激が少ない成分ですが、
完全に“しみない人しか使えない”わけではありません。

しみる原因は、

  • pH
  • 濃度
  • ベース処方
  • 肌の状態

の組み合わせで変わるため、
その日の肌とコスメの条件が合わなかっただけ ということが多いのです。

だからこそ、しみたからといって即アウトではなく、
“条件を揃えれば心地よく使える成分”として見直す価値があります。

🧪 刺激の原因はここにある【pH・濃度・ベース】

🧪 pHバランスが肌とズレているとしみやすい

肌の表面は弱酸性(pH4.5〜6.0)が最も安定しやすい状態です。
一方、ナイアシンアミドは幅広いpHで安定するため、製品によってpHの設定が異なります。

もし、

  • pHが高すぎる(アルカリ寄り)
  • pHが低すぎる(酸性寄り)

といった状態だと、肌とのバランスが崩れ、
塗った瞬間に ピリッと反応が出やすくなる ことがあります。

特に敏感な時期は、
肌が“いつもよりpH変化に敏感”になっているため、しみやすくなります。

📏 濃度が高すぎると“入り方が早くなりすぎる”

ナイアシンアミドは比較的高濃度でも使いやすい成分ですが、
肌が弱っている時は 5%でもしみる ことがあります。

理由は非常にシンプルで、
濃度が高いほど 肌に入るスピードが速くなる ためです。

肌が安定しているなら10%でも問題ない人もいますが、

  • 乾燥
  • 生理前
  • 紫外線ダメージ
  • スキンケアの変化

こうした条件が重なると、突然しみやすくなります。

「前は大丈夫だったのに今日だけしみる」というのは、
濃度問題が絡んでいることが多いです。

🧴 ベース処方の違いが刺激を左右する

ナイアシンアミドそのものではなく、
一緒に配合されている“ベース成分” がしみる原因になることもあります。

特にしみやすい組み合わせとしては、

  • アルコール量が多い
  • さっぱり系で水分がすぐ蒸発する
  • フルーツ酸(AHA)が入っている
  • エッセンシャルオイルの刺激
  • 溶剤の比率が高い

などがあります。

「ナイアシンアミドが刺激になった」と思ったら、
実際は ベース成分が肌に負担をかけていた というケースが非常に多いのです。

😵 肌が弱っていると普段しみない処方でも反応しやすい

同じナイアシンアミドでも、
肌の調子次第で感じ方が大きく変わります。

たとえば、

  • 寝不足
  • 季節の変わり目
  • 摩擦の蓄積
  • 乾燥
  • 花粉
  • ストレス

こうした要因で肌が敏感になっていると、
普段まったくしみない処方でも 急にピリつく ことがあります。

ナイアシンアミドが悪いわけではなく、
“入り口(角層)が弱っているだけ”の状態です。

💡 しみる原因はナイアシンアミドではなく“条件のズレ”

ここまでの内容を整理すると、
ナイアシンアミドがしみる理由は成分そのものではなく、

  • pH
  • 濃度
  • ベース
  • 肌状態

これらが たまたま肌と合っていないだけ ということがほとんどです。

ナイアシンアミドは本来「刺激が出にくい成分」。
条件を整えることで、問題なく使えるケースが大多数です。

だからこそ、しみたときは「合わない」と決めつけず、
まずこの3つを見直すことがとても重要です。

🧼 肌がしみやすくなる“3つの弱りポイント”

💧 ① 乾燥で「入り口」が弱っている

肌が乾燥すると、角層が薄くなったり、すき間ができたりして、
成分が一気に入り込みやすい状態 になります。
このとき、ナイアシンアミドを塗ると、
スッと入りすぎて「しみる」「ピリつく」を感じやすくなります。

乾燥による“入りすぎ”は、
刺激とは別で“勢いが強すぎるだけ”のことが多いです。

特に以下の状態ではしみやすくなります。

  • 冬や季節の変わり目で乾燥が強い
  • 洗顔後すぐにつっぱる
  • 保湿が足りていない
  • タオル摩擦が続いている

乾燥対策をするだけで、急にしみにくくなる人もいます。

😮‍💨 ② 摩擦で肌が“疲れている”

摩擦が続いた肌は、見た目には分からなくても、
表面が軽く傷ついたり、敏感になっていたりします。

こうした“疲れた肌”にナイアシンアミドを塗ると、

  • しみる
  • チクチクする
  • じんわり熱く感じる

といった反応が出やすくなります。

摩擦の原因には、次のようなものがあります。

  • メイク落としのこすりすぎ
  • 洗顔で手が強く当たる
  • タオルでゴシゴシ
  • マスクの擦れ
  • 枕カバーとの摩擦

特に頬・小鼻まわりは摩擦が集中しやすい部分。
そこにナイアシンアミドを乗せると、しみやすさが倍増します。

🔥 ③ 肌が炎症気味で“反応しやすい状態”

肌の内部が炎症気味になっていると、
普段は問題ない成分でも敏感に反応してしまいます。

例えば、

  • 乾燥による赤み
  • 紫外線ダメージ
  • 花粉でムズムズする
  • ニキビの初期炎症
  • ストレスで肌がゆらいでいる

こうした“軽い炎症”の上にナイアシンアミドを重ねると、
入り口が過敏に反応してしみやすくなります。

これはナイアシンアミドの問題ではなく、
肌が疲れているサイン ともいえます。

🫧 「弱りポイント」が重なるほどしみやすくなる

乾燥・摩擦・炎症は単体でもしみやすさを生みますが、
3つが重なると一気に反応しやすくなります。

  • 乾燥しているところに
  • 摩擦が加わり
  • 軽い炎症が重なると

わずかな刺激でもしみるほど、肌の入り口が敏感になります。

特に、夜のクレンジング〜洗顔のあとが最もしみやすいタイミングです。

💡 ナイアシンアミドが悪いのではなく“肌の疲れ”が原因

まとめると、しみやすくなる理由は、

  • 乾燥
  • 摩擦
  • 炎症

という3つの弱りポイントが重なっているだけ。
これは 成分の刺激性とは別問題 です。

ナイアシンアミドは本来優しい成分なので、
“肌の疲れ”を先に整えることで、
驚くほどしみにくくなるケースがほとんどです。

🌙 今日からできる、しみないための見直しステップ

💧 ① まず“乾燥していない肌”をつくる

ナイアシンアミドがしみる原因の多くは、
肌が乾いて“入り口”が弱っているためです。
そのため、使う前の肌の水分量を整えることが何より大切です。

ポイントは次のとおりです。

  • 洗顔後すぐに保湿する
  • セラミド入りで角層をうるおいで満たす
  • 化粧水を重ねすぎず、ムラが出ないように丁寧に入れる
  • 乳液で水分が逃げないように軽くフタをする

これだけでナイアシンアミドが“一気に入りすぎる”状態が防げます。
乾燥対策ができていると、肌は格段にしみにくくなります。

🧪 ② 濃度を下げて“入り方のスピード”を調整する

5%以上のナイアシンアミドでしみる人は、
まず2〜4%のやさしい濃度に切り替えることがおすすめです。

濃度が低いと、

  • 成分の入り方がゆるやかになる
  • ピリつきにくい
  • 肌が慣れやすい

というメリットがあります。

濃度を下げても、
長期的にはしっかり効果が出るため心配はいりません。

「前は10%が普通だったのに、最近しみる…」という人は、
肌が一時的に疲れているだけなので、低濃度へ切り替えるのが最適です。

📏 ③ pHが合う製品を選ぶ

ナイアシンアミドは幅広いpHで安定するものの、
肌が敏感な時期は pH5〜6の“弱酸性寄り” が最も使いやすくなります。

肌に合うpHかどうかは次のポイントで判断できます。

  • しみない
  • つっぱらない
  • ピリつきがない
  • 使い続けても違和感がない

敏感なときは、
アルカリ性や強い酸性の製品は避けるのが安全です。

🧼 ④ ベース処方の刺激要因を避ける

しみる原因がナイアシンアミドではなく、
ベース処方 にあるケースは非常に多いです。

特に避けたいのは、

  • 高濃度アルコール
  • 強いフルーツ酸(AHA)
  • エッセンシャルオイルが多い処方
  • 蒸発しやすい“さっぱり系ベース”

これらは肌の疲れた部分を刺激しやすいため、
ナイアシンアミドが悪者に見えてしまう原因になります。

敏感な時期は、
しっとり系の乳液・美容液タイプが最も安定します。

💡 ⑤ 肌が落ち着くタイミングで再開する

一度しみたからといって、
ナイアシンアミドを“使えない成分”と判断する必要はありません。

むしろ大切なのは、

  • 肌の状態が良い日を選ぶ
  • 濃度を控えめにする
  • ベースをしっとり系にする
  • pHの合うものを選ぶ

これらの条件を揃えて“再開するタイミング”を調整することです。

肌は日によって大きく変わります。
その日のコンディションに合わせて使い分けるだけで、
しみにくさが大幅に改善します。

ナイアシンアミドは、条件さえ整えばとても使いやすい成分。
“しみた経験がある=相性が悪い”ではなく、
その日の肌に合わせて上手に調整する成分 として向き合うのがおすすめです。

📘 まとめ|ナイアシンアミドは“条件”が合えばしみない成分

ナイアシンアミドは刺激の少ない万能成分といわれますが、
“しみる”と感じるのは決して珍しいことではありません。
原因の多くは、成分そのものではなく
pH・濃度・ベース処方、そしてその日の肌状態 によるものです。

今回のポイントを整理すると、

  • pHが合わないと、肌がピリっと反応しやすい
  • 濃度が高いと“入り方のスピード”が速くなりすぎる
  • ベース処方のアルコールやAHAが刺激の原因になることがある
  • 乾燥・摩擦・炎症のある肌は、普段よりしみやすい
  • 条件を調整すれば使えることが多く、“相性が悪い”とは限らない

つまり、ナイアシンアミドでしみるのは
成分のせいではなく “タイミングと組み合わせ”の問題 であることがほとんどです。

使い方を少し調整するだけで、しみにくく変わるケースが大半です。

🧪ちふゆのひとことメモ

私も、肌が疲れている日に高濃度のナイアシンアミドを使って
「今日はなんだかしみる…」と感じたことがありました。

でも、濃度やベースを変えたり、
肌が落ち着いているタイミングに使い直すだけで、
驚くほど快適に使えるようになったんです。

“しみた=使えない”ではなく、
肌のコンディションに合わせて調整する
この視点があるだけで、スキンケアはもっと自由になります。

🛁Chocobraの毛穴マッサージケアは、“しみにくい肌”を育てます

夜のバスタイムに専用のシリコンブラシでやさしい圧をかけ、中の流れを整える。
その後にビタミンC誘導体美容液で酸化を防ぐ──この二段構えで、
乾燥しにくく、詰まりにくく、下地や美容液がしみづらい安定した肌へ導きます。

角栓は洗顔じゃ落ちないの説明画像
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この記事を書いた人

元・大手化粧品メーカーの研究員。美容成分の研究にも携わり、成分知識に精通。
自身の毛穴悩みをきっかけに、成分設計と皮膚科学の知見をもとに「角栓を構造から捉えなおす」独自の毛穴ケア理論を構築。
皮脂の酸化と角栓の層構造に注目し、“動かして流れを整える”毛穴マッサージケアという新しい概念を提唱。

これまで数百種のスキンケア製品と美容医療を実体験しながら、
「肌悩みに寄り添う科学」をコンセプトに、習慣として続けられる本質的なケアを追求し、Chocobraを開発。
現在は、自社ブログ・note・SNSを通じて、毛穴ケアに関する考え方をわかりやすく発信しながら、ブランドの世界観づくりから商品設計までを一貫して手がけている。